1.「経営倫理・人権国際監査室」を設置してください。
2.その、初代室長に沖電気労働者、田中哲朗さんを起用してください。
<提案主旨>
1.一瞬にして会社を崩壊させてしまう企業犯罪に対する、経営責任が問われています。
最近の恥ずべき例を列挙すれば、 @雪印食品(補助金の不正受給) A全農(食肉産地不正表示) Bゼンチク(同左) C丸紅(同左) D協和化学(有害物質の販売) Eダスキン(同左) F東芝・日電(産業スパイ) G佐世保重工(助成金不正受給)と枚挙の暇がありません。
能力・成果主義を導入する沖電としては決して他人事ではありません。また、経営目標に照らしても、もし同質の犯罪を発生させるならば、株主どころか人類への敵対企業に堕することになります。経営実態を倫理、人権の視点からこの「監査室」において日常的に厳しく見通すことが急務です。
2、経営のグローバル化に伴い、国際的な視野を持った人権感覚が問われています。特に、アメリカにおける9・11の悲劇を目の当たりにした私たちは、自らのグローバル経営によって世界のどこかで泣いている人がいないか、傷ついている人がいないか、飢えている人がいないか、殺されている人がいないか等々を絶えず自問自答し、自らの利益追求が「報復テロ」の原因となっていないかを厳しく監査しなければなりません。その点からも、当監査室の設置は急務であります。
3、ミドリ十字の薬害を見るまでも無く、日本における社会問題の多くは、企業責任を内なる労働組合が事前のチェックをなしえないことに起因しています。過労死しかり、過労自殺しかり、過度のストレスによる個人的犯罪しかり、それらの全ては働き方、働かせ方を労働者が自らの自覚と責任において労働者運動として作り上げて行くことによって解決できる問題であります。それを企業内労働組合に期待できない現在、働く者の安全と健康は経営監査によって厳しく自己管理されねばなりません。
4、田中哲朗さんは、配転命令を自己保身や自己実現のために拒否したのではなく、沖電気が大量の指名解雇後に行った人権無視の労務管理と、解雇撤回闘争を支援する労働者たちを弾圧してやまない労使に対して、人としての道理をまっとうしたいがためにその場を離れなかっただけなのです。しかし、当時(1981年)の経営者は、第一に見せしめ、第二に別件逮捕のごとき「配転拒否解雇」を仕掛けたのです。以来、田中さんは毎日沖電気八王子工場において「人らしく生きよう」と訴えつづけています。もし現経営者が、沖電気の歩む道を踏み外してはならないと思うのなら、田中哲朗さんの人間性の魅力に満ちたエネルギーこそ、この監査室に起用することが当然ではないでしょうか。またそれは、毎日の門前における状況と毎年の株主総会における状況を根本的に解決する最も人間的な方法ではないでしょうか。田中さんを、排除している歴代の経営者は、それによって自分自身が最も不自由になっていることを、自覚すべきです。
以上、2002.6.27
沖電気株主 松野哲二(ご意見のある方はfax03−3321−6677,tel090−3085−7557までどうぞ。)