君が代斉唱で座った、クビだ 広島の高校で

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 広島県立広島皆実高校(広島市南区)で1日にあった卒業式で、君が代斉唱の最中に男性教諭の1人が着席したままだったことについて、金井亀喜校長が翌日の職員朝礼で「辞表を書いてもらいたい」と発言したうえ、本人を呼び出して辞表か異動願を提出するよう促していたことが9日、分かった。男性教諭は、辞表などは提出していない。金井校長は「行き過ぎた面があったかもしれない」と話している。
 関係者や県教委によると、同校の卒業式には卒業生約420人が出席した。君が代斉唱の間、約70人の教職員の中で男性教諭1人だけが着席したままだった。これに対し、金井校長は2日朝の職員朝礼で、教諭の個人名は挙げずに「いい卒業式だったが、残念なことに座った人がいた。その人は公教育を放棄したことになる。辞表を書いてもらいたい」と話した。その後、男性教諭を校長室に呼び出したという。

 金井校長の説明では、男性教諭に「辞表を書くつもりはないか」と告げたところ、本人が拒んだため、さらに「異動願を書いてもらいたい」と促したという。

 一方、男性教諭は着席したままだった理由について「これまで自分は日の丸、君が代を強制することの問題点を生徒に話してきた。それに反するような行動をとることができなかった」と述べたという。

 金井校長は「一個人としてはいろいろな考えがあると思うが、(卒業式では)教職員として学習指導要領にのっとった行動をしてほしかった。ただ、発言内容については行き過ぎた面があったかもしれない」と話している。

 卒業式での日の丸掲揚、君が代斉唱をめぐって、広島県教委は2月に県内の全公立学校へ通知文を出し、君が代斉唱時に起立しなかった教員名などを記入する「服務状況報告書」の提出を各校長に求めていた。

 県教委の榎田好一・教職員課長は「職員を指導する過程での発言ではあろうが、校長としては慎重な対応が求められる」と話している。

朝日新聞2001年3月10日

 「君が代」のときに皆と同じに立つことは簡単な事である。

現状で、自ら正しいと信ずることを子どもたちに示そうとすれば、解雇される危険すらある。

それでもそれを貫こうとすることこそ、真の教育だと思う。

このような良心的な教員を排除していけば、後に残るのはどのような教員なのだろうか。

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