心のノートを読んで
心のノート小学校3.4年、5.6年、中学用に目を通しました。
日の丸君が代強制問題で教育委員会や校長と何回か交渉した経験から、文科省官僚の持つ人間性は、その強圧的な姿勢からこのノートが示している「人間性」とは全く逆のものだと感じています。ですから彼らがこれを推進することに警戒の目を持つべきだと思いますし、その意図を見抜こうとしなければならないと思います。
しかし内容自体は「教科書を教えるのではなく、教科書で教える」の姿勢があれば問題は無く、私は評価してよいものではないのかと感じました。
教員の資質や教える姿勢によって教育の内容が大きく変わることはこれに限らず起きることだと思います。
このノートに示されていることを子どもたちに「問題提起」することは、私は必要だと思います。
例えば中学用の86pからの「縛られたくないのはみんな同じ」で「ルールを守る」ことが語られていますが、私としてはルールとは与えられるだけのものではなく、変えたり作るものであり、そのルールが正しいかどうか考える姿勢が必要だ、と示したいと思いました。
単に権力に従順であってはならない、社会の仕組や権力の不公正により苦しむ人がいることから目をそらしてはならない。社会の仕組みを改善しようとする権利や責任が我々にはある。これらの事も教員の裁量で問題提起の中で触れられると思います。
私が危惧するのは、このノートを拒絶することで、日の丸君が代問題に良心的に取り組む人に対し「あの人達はこんなに良いものにも反対するけしからん人だ」という攻撃が起こるのではないかということです。
2003年5月2日