政治家の姿勢

政治家のレベルはその国民に相応のものになると言われる。

社会の水準を上げたいのであれば両方とも向上させなければならない。

現在の議員の選び方は、「自分に利益をもたらしうる者」を議員にしようとしている。

議員の方は、自分を支持するものの利益代表として存在している。

政治家は大企業が国民に不利益を及ぼす時も、往々にして企業の側に立つ。

もちろん企業が政治家に金を出すからである。

政治には金がかかると言われる。

かかるとすれば、自分の考えを国民に知らしめる為、だけのはずである。

支持者の冠婚葬祭に顔を出すことが政治家の仕事だというのは理不尽きわまりない。

これこそ全体の奉仕者ではなく、支持者の利益代表としての姿勢の現れである。

「知らしむべからず寄らしむべし」

政治家も官僚も国民を愚かな者として扱っている。

国民を賢くしようとしない。

その方が御しやすいからだろう。

情報を与えない。

嘘をつく。

公の場でさえ嘘をつく。

それでまかり通ると思っている。

それでもそのような者を選挙で目先の利益で投票しまた選ぶからそれが本当にまかり通ってしまう。

自分に金をくれた(選挙違反をするようなもっとも選ぶべきでない)政治家に投票する。

自分の利益に関係がないと思うと、社会の出来事を正確に知ろうとしない。

あるいは投票に行かない。

「自分一人が投票しても社会は変わらない」

そう言い訳する人間が多い間は社会は良くならない。

残念ながら確かに国民は愚かなのである。

しかし政治家が国民を賢くしようとすれば国民の民度は上がる。

国民に社会の持つ問題点を示し、なるべく多くの情報を与え、考えるようにし向ける。

その上で政治家は国民の多くの声を聞き、自分の考えを構築し、国民に示す。

国民一人一人に政治に関わっている実感を持たせようとしなければならない。

しかし、単に多数に従うのではなく、時として国民を説得し、議論しようとしなければならない。

その上で理解が得られないときは潔く職を辞する。

どういうことを言えば支持されるか、選挙に当選するかを考えるのではなく、である。

政治家は独裁者であってはならないが、信念を持ったリーダーでなければならない。

人間は誰でも変わる。

当初は正義の理想に燃えていた政治家も、政党も権力に近づくにつれ、堕落する。

自分が、自分たちが政治家であり続けることが活動の目的に変わってしまう。

自分が議員であり続けるために、権力を握り続けるために、金の誘惑に負ける。

国民はそれを見抜かなければならない。

2001.2.24

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