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告訴状


警視庁 御中

2010年2月26日
告訴人  田 中  哲 朗

〒193-0942 東京都八王子市椚田町1214-1-707
電話 042-664-5602

被告訴人 篠塚勝正
 東京都文京区小石川4丁目
被告訴人は現在下記会社の代表取締役会長である。
沖 電 気 工 業 株 式 会 社
105-0003東京都港区西新橋3-16-11(電話: 03-5403-1211 大代表)


一 告訴の趣旨

 被告訴人は後記犯罪を犯し、犯状悪質であるので処罰されたく、ここに告訴いたします。

二 告訴事実  

 被告訴人は2008年6月27日に行われた沖電気工業株式会社(以下沖電気)の定時株主総会(以下本総会)に於いて、告訴人を会場から暴力で排除することを同社員数名に命じ、告訴人を負傷させた。すなわち暴行教唆致傷という犯罪を犯した。

三 告訴に至る経緯


1 被告訴人が現在会長を務める沖電気は 2000年大分県湯布院町の公共事業工事の落札において、東芝、などと談合行為を行い、この事実は2009年11月最高裁判所の判決において、確認され、被告沖電気は由布市に対し1400万円の損害賠償金を支払うことを命じられた。(甲第1号証)この談合の当時、被告訴人は代表取締役社長であった。本総会の時点ではすでに福岡高裁から上記判決がだされていた。
 最高裁判決により沖電気の犯罪が確定した今、それに関係する本告訴を決意した。
 
2 告訴人は本総会に株主として出席し、当時沖電気の社長であり本総会の議長であった被告訴人に対し、「この談合について誰がどのような責任をとるのか」、との質問を行った。

 それに対し被告訴人は質問が株主総会の目的事項ではないなどと理由にならない理由で答弁を拒否した。言うまでもなく、裁判で争われているその企業の談合行為に関する質問が株主総会の目的事項でないはずがない。

 告訴人は答弁拒否は許されないと答弁を求め続けた。すると被告訴人は社員に命じて告訴人を暴力で排除させた。告訴人は床に固定してある椅子につかまってその場に留まろうとしたが数人の社員が告訴人の脇腹に手を回し、力任せに引っ張るなどを繰り返したため、告訴人は脇腹に全治一週間の打撲傷を負った。(甲2号証)

 状況を見れば告訴人に身体的危険が及ぶことは認識できたにもかかわらず被告訴人はそれを遂行させた。

 これは自身に責任のある犯罪行為を指摘され、それを黙らせるために相手に危害を加えた悪質な犯罪行為である。  

 この状況は沖電気がビデオカメラで撮影していたので映像として残っているはずであることを申し添える。
 
3 付言するならば、2005年の株主総会においても(すでに時効が成立していると思われるので本告訴には含まないが)被告訴人は談合に関する答弁を拒否し暴力排除を命じた。この時告訴人は交通事故で骨折しており、その部位をギブスで固定していた。

 そのことを沖電気にあらかじめ文章で通知していたにもかかわらず、被告訴人は暴力による排除を命じたのである。すなわち被告訴人は暴力教唆の常習犯であると言える。

4 告訴人は脇腹の痛みが続くので布田整形外科を受診し上記診断を受けた。(甲2号証)

 命に関わる負傷ではないが、告訴人は長期に苦痛にさらされる損害を被ったのである。

 もし立場が逆であるならば、例えば株主が、答弁を拒否して会場から逃亡しようとする議長を阻止しようとして、告訴人の受けた負傷と同程度の傷害を与えたならば、間違いなく逮捕される事例であると考える。


四、警察に対する懸念

1 残念ながら告訴人は以下に述べる経過から、警察は沖電気の経営者、被告訴人をかばう姿勢をとり、本告訴は受理されないか、捜査がされないのではないかという懸念を抱いている。

2 本件談合の不起訴

(1) 本件談合は、沖電気の社員が2000年に湯布院町町長に行った贈賄事件の書類を、告訴人が大分検察庁から入手し、沖電気及び、東芝などの社員が警察での供述調書の中で、この地域の中で自分たちは談合行為を続けてきた。この工事についても談合を行った、とする供述と、それを裏付ける書類を発見したことから発覚した。
 すなわち警察検察はこの談合を知りながら起訴しなかったのである。

(2)告訴人はこの書類をマスコミ各社、市民団体に送付した。その中で、大分市民オンブズマンがこの書類を元として由布市を相手に沖電気に損害賠償請求せよとの提訴を行い、上記のごとく最高裁はこの犯罪の事実を認める判断をしたのである。

 談合という犯罪行為の立証に民事、刑事の違いがあるとは考えられない。起訴されていれば刑事裁判で有罪判決が出されたと思われるのになされなかったのである。

(3) 本件談合について告訴人は2004年9月24日に警視庁生活安全課に告発状と証拠書類を提出した。これは上記市民オンブズマンが裁判で証拠として使った資料と同じものである。ところが2005年4月14日 生活安全部生活経済課長名で
 
 
貴殿からの平成16年9月24日付け「告発状」と題する資料を検討しましたが、貴殿の申し立てる平成12年秋ころ発生したと思われる「私的独占禁止及び公正取引の確保に関する法律」違反は、平成15年秋ころ時効が成立していること、及び日常的に談合が繰り返されているとの申し立ては、具体的事実が特定されていないこと等の理由から、貴意に添いかねますので、告発として受理せず同資料をお返し致します。

 という通知が送られてきた。しかしここに述べられていることは不自然と言わざるを得ない。

 本通知では談合が「平成12年秋ころ発生したと思われる」「平成15年秋ころ公訴の時効が成立している」と、わざと時期をあいまいにした表現がされている
 しかし入札が行われたのは平成12年12月18日である。贈賄事件の起訴は平成15年9月、10月に行われており、3年の時効の、少なくとも2ヶ月前に警察は事情聴取により談合の事実を知っていたのである。
 また、時効の2日前に行われた贈賄事件の公判の中で検察官はこの談合を供述調書を読み上げて指摘したのである。

 12月18日を秋と言うものはいない。事件を時効前に知りながら起訴しなかったことの違法性を認識しているため、わざと時期を曖昧にしたとしか考えられない。
 また「具体的事実が特定されていない」などとの主張があるが、関係者全員が「日常的に談合を繰り返してきた」と自白しているのだから、その「具体的事実を特定する」のは私ではなく、警察の仕事である。
 これら、本件談合に対する警察の対応は不自然きわまりないと言わざるを得ない

(4)また、談合発覚の原因となった贈賄事件についても。犯行は沖電気の社員が自腹を切って行ったものとされ有罪が確定したが、沖電気の経営者の責任は問われていない。

 しかし社員が事業を受注するために経営者からの指示もないのに300万円もの自腹を切って贈賄をするなどということがあり得るのだろうか、という常識的な疑念が残るのである。

(5)本件談合の地元警察は大分県警であるが警視庁はこれら状況を知り得た後はそれを指導すべき立場にあったと考える。


3 警察による沖電気株主総会への関与

(1)告訴人は沖電気の株主総会に対する警察官の対応が不当であるとして2003年11月18日、都を相手として東京地方裁判所八王子支部に提訴した。平成15年(ワ)第2805号

(2)この提訴は2002年6月27日に行われた沖電気の株主総会において告訴人が暴力排除された際、「警察官がいるのならこの暴力を止めろ」と告訴人が叫んだのに、名乗りで出なかったばかりか、後日行った告訴人の申し入れに対し所轄の三田警察署は、「現場に警察官はいなかった」などと嘘で言い逃れをしようとしたことを不服としたものである。

(3)この民事裁判で原告の損害賠償請求は棄却されたが、裁判所は判決の中で「現場に警察官はいなかった」という警察の主張は嘘であると認めた。

(4)また証人として出廷した武田警部補は、警官が株主総会に私服で臨席することについて以下の証言をしている。

@ 株主総会において警察官がどういう場合に警察措置をとるかを定めたマニュアルや文書のようなものは存在しない。
A 警察官は株主の法的権利についての知識がない。
にもかかわらず
B 警察は議長が退場命令を出した場合には、その経過いかんにかかわらずそれは有効であると判断する。
また
@ 警察官が私服で臨席することは規則で決まっていることではない。
A 会社側はだれが警察官か分かっている。
B 株主に誰が警察官か名乗るように言われても名乗らない。
C 名乗らないことに理由はない。
D それを不公平とは思わない。

 これでは「ものいう株主」を威嚇するために雇われた与党総会屋、会社の用心棒と言われてもしかたない。一般国民の感覚からはとうてい支持をえられない企業に偏った姿勢である。

(5)また告訴人が排除される状況の証言の中では

「警備員が腕や背中に手を添えるようにして会場の外に誘導してました。」「途中から,自分から歩きはじめました」などと証言している。
 現実には数人の警備員が告訴人の腕をねじり上げて引きずり出している写真が証拠として提出されている。


4、このように本告訴が正しく処理されないのではないかと懸念する理由は、これまでに警察が
@ 沖電気の談合を起訴せず
A 談合の告訴を受け付けず
B、最高裁で談合の罪状が明らかになっても処罰せず放置し
C 株主総会では会社側の立場だと思われる臨席をし
D その対応が問題になると「その場にいなかった」などと嘘でいいのがれをし
E 裁判の中でさえ沖電気をかばう嘘の証言を行う

という不当に沖電気を擁護していると思われる行動を取ってきたからである。
 


五 本件談合事件は検察審査会に審査の申し立てをし、申し立ては受理されています。またこの告訴状はマスコミに配布する予定です。


結語
 告訴人は自身のホームページで 「日本の警察、検察、裁判所を改革しよう。」というページを運営しています。以下その冒頭です。


 多くの国民は、警察、検察、裁判所は、社会正義を実現する為にその職務を全うしようと努力している、と信じている。
 しかし、ひとたび自分が事件の当事者になったり、権力を相手に裁判を起こしたりすると、その理不尽さに直面することになる。
 これは法治国家、民主主義の根幹の問題である。
 私はそれらの体質を国民の納得できるものに改革する必要を強く感じる。


 警察官の中には日本の社会正義を守るための志の高い方が多くいらっしゃると思います。しかし今マスコミでは警察の組織ぐるみ不祥事が報道され社会正義ではなく組織を守ろうとする官僚的な体質が批判されています。
 警察を批判するとは身の程知らずと思われるでしょうが、間違ったことは言っていないつもりです。国民の納得出来る警察であって頂きたいと思います。

 改めて公正公平な対処をお願いします。

以上


証拠、添付書類
甲1号証 最高裁判所判決 写し 沖電気が談合を行った事実を最高裁が認めたことを証明する

甲2号証 診断書 写し 告訴人が整形外科を受診し全治一週間の打撲傷の診断を受けたことを証明する。


履歴事項一部証明書 1部 被告訴人が沖電気の取締役であることを証明する。

データーCD 一枚

 CDの内容
 沖電気が犯した湯布院談合裁判の 地裁 高裁 最高裁各判決
 沖電気社員が犯したとされる贈賄事件の資料(大分検察庁より)
 談合を行ったとする供述調書、それを裏付ける証拠書類。