平成17年(モ)第1957号 裁判官忌避申立事件
 
即  時  抗  告  申  立  書
 
                   2005年11月28日
 
東 京 高 等 裁 判 所
 民    事    部 
              御 中
 
 
 申立人の、裁判官加藤美枝子に対する忌避申立について、東京地方裁判所八王子支部が平成17年11月21日付でなした却下決定は不服であるから、これに対して即時抗告を申立てる。
 
           東京都八王子市椚田町1214.1.707
           電話  0426(64)5602
 
                 申立人   田 中 哲 朗
              
              
第1 原決定の表示
 
 本件申立を却下する。
 
第2 抗告の趣旨
 
 1、 原決定を取消す。
 
 2、申立人の裁判官加藤美枝子に対する忌避申立を理由あるものと認める。
 
 との決定を求める。
 
第3 抗告の理由
       
1,原決定の主たる主張は民事訴訟法23条の「裁判官の除斥」のことである。同24条は「裁判官について裁判の公平を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することが出来る。」としているので、申立人はその事情を主張したのに、現決定は「その他、同裁判官に裁判の公平を妨げるべき事情は認められない。」とするのみで、全くその理由を述べていない。
 
2, 本件裁判の争点は、当該株主総会が適法に執り行われたかどうかという点であり、その観点から、総会議長の証人篠塚勝正が、被告社員である証人毛利部信幸や、株主総会警備員である証人澤井重徳と比較して圧倒的に重要であるのに、それを認めない訴訟指揮がされていることは申立書で述べたとおりである。さらに、被告社員である証人毛利部信幸と、株主総会警備員である証人澤井重徳とは、証言できる内容が大部分重複することが容易に予測できるから、仮に、会社側の証人を2人に制限するなら、証言内容が重複しないと予測される上記2人の証人のいずれかと、株主総会議長の証人篠塚勝正にすべきである。にもかかわらず、上記2人の証人を認め、議長の証人を認めないのは不適法と言わざるを得ない。これらは「公正を妨げる事情」であることは疑いがない。
   裁判所が、これらを「公正を妨げる事情」ではないと判断するのであれば、その理由を示すべきである。
 
3, 裁判所には当事者と裁判官の間に利害関係がある場合しか忌避(除斥)を認めない考え方があると推測されるが、公平であるべき裁判官が「除斥」に相当するような立場において(人間が持つ欠点ゆえに)公平で無い判断を下す恐れがあると考えるのであれば、その裁判官の思想、信条、などの内面を理由としても、それは起こりうると考えるべきである。
  本件の如く、採用すべき証人を採用せず、採用する必要の乏しい証人を重複して採用し、さらにビデオテープという客観性の高い証拠を積極的に見ようとしないなど、著しく社会通念から逸脱した訴訟指揮が行われる場合、この裁判官は公平な裁判をしようとはしていないと考え、それを忌避することが認められなければ、24条は無意味なものになると言わざるを得ない。
 
4, よって、抗告人は、前記第2の抗告の趣旨記載の通りの裁判を求め、本即時抗告をする次第である。
 
以上