田中哲朗
湯布院談合事件裁判

証人尋問調書 証人 元沖電気営業課長 大谷正義

被告側尋問

原告側尋問

裁判官の尋問


 この証人は談合は無かったと証言している。警察の取り調べの中で談合があったと自白したのは、取り調べが厳しかったので、しかたなく嘘の自白をしたのだと言う。

 贈賄容疑で尋問され、贈賄については、否認したが、談合については、してもいないのに認めてしまったそうだ。その前後に弁護士に会う機会もあったが、嘘の自白を強要されたことを訴えなかった。沖電気にも談合したとうその自白をしたことを報告しなかった。・・・・あり得ない。

 この証人は、親が病気で倒れ、田舎に帰るために沖電気から就職先をせわしてもらったと証言している。弱い立場の人間が偽証を強いられた様子がうかがわれる。気の毒である。


 ここで、大分県警、大分検察庁、そして大分地裁の対応が問われることになる。

 これが偽証であれば、この証人を偽証罪で起訴しなければならない。

 警察が過酷な取り調べで嘘の自白を強要し、調書を捏造したとする、警察の信用を失墜させるような嘘の証言、実際にあった犯罪を無かったとする嘘の証言を、法廷において宣誓した上でおこなったのである。

 これは、警察の威信を汚す許し難い犯罪であるはずである。一方で微罪で逮捕し、他方では、司法の信頼を破壊しかねない犯罪を看過することなど国民の理解は得られない。

 (私は、企業側、権力側の証人の証言が偽証であることが明らかになった場合でも、後で罰せられた例を見たことがない。多分弁護士は、その事実を告げ、安心させて偽証を促したのだろう。裁判所、警察はなめられたのである。)

 また、もし、この証言が本当なら、警察は、7人もの人に談合という犯罪を行ったという嘘の自白を迫る違法な取り調べを行い、その嘘の自白を公式な書類として保管、公開しているのであるから、それを改めなければならない。

 どちらもせず放置することは許されるはずがない。

 そもそも、なぜ大分検察庁がこの談合を起訴しなかったのか。

 警察の集めた証拠により大分地裁が談合があったと判決で認めたのであるから、起訴するには証拠が足りなかったとの主張は成り立たない。

 また、被疑者らは談合は過去から継続して続いていると自白しているのである。この事件の後、談合をしないよう警察が指導したという話もない。(沖電気は警察から談合について接触はなかったと言っている)

 これでは、一般国民が、何らかの「裏事情」で警察は企業の犯罪に対し、手心を加えたり、お目こぼしをしている、と考えることはごく自然なことである。

 警察、検察は国民に対し、その信頼を得る為には説明責任を果たすべきである。

2007.1.29