餅(もち)を人の後から追うな

私が幼稚園の時の思い出である。どこかで何かのお祝いがあったとかで幼稚園で「もちまき」があった。

先生が講堂で園児に餅をまくのだが数は十分にない。床に転がる餅を競って取る。早い者勝ちである。私は一つも取ることが出来なかった。くやしかった。

家に帰ってその話をすると父は、すでに人が追いかけている餅をその後ろから追いかけて取れるわけがない、自分の場所で取れる機会を待つのだ、と言った。

子供心にこれは教訓だと思った。

 今も私は人の後から「もち」を追わないことにしている。誰かが「これは儲かる」「これはうまくいく」という「うまい話」を持ってきたとしてもそれは「すでに他人が追っている餅」だと判断して、のらないことに決めている。

2003.12.21

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