たとえ話

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私ごとで恐縮ですが、私はある仏教のお寺に信者として所属しています。(お布施等を納めている)(弱小宗派です)

理由は私の親が信者だったから。親のお骨がお寺に納めてある。

仮にB教とします。

この宗教は「B教こそ最高の教え、他宗は邪宗だ」と教えますが私は信じません。

この教祖様が「B教を世界に広めることが世界平和そのものである」と宣言して政治団体を作ったとします。

信者が有権者の25%に増え、選挙で当選者が増え、国会議員の過半数を占めたとします。(小選挙区制ですから国民の過半数が信者ではなくてもこれは実現します)

この時日本国民は全てB教を信じなくてはならないという法案が出され可決したとします。

荒唐無稽と思われるかも知れませんが色々考えられる。

教祖様の旗を国旗にしよう。

教祖様をたたえる歌を国歌にしよう。

法案が次々に成立して行きます。


この例はあり得ないと言えるでしょうか。

もちろんこの例だと、残りの75%の国民が黙ってはいないから次回の選挙ではひっくり返るかも知れない。(そう希望します。)

しかしそれまではこの法律は有効です。(本当はこれは憲法に違反しているから無効なのですが、誰かが指摘して裁判を起こさない限り有効)

 また、信者が66%を超えたとしたらさらに深刻ですよね。(こうなると信者にならないと肩身が狭いから急激に信者が増える)


 教員は公務員だから法律に従わねばならないと言う理由で 日の丸君が代に批判をしてはならないと言っている人は、この「教祖様の歌」を学校で強制するべきでないと考える教員が着席することで自分の意志を示せば、停職や免職になってもしかたがないと考えますか。

  さらに懲役などの刑事罰が科せられるとしたらどうですか。

それ以前にあなたはこの法案成立に対し何をしますか?国会で決まったのだからしょうがない?次の選挙まではみんなで教祖様の歌を歌う?これが民主主義のルール?


 「公務員だから」という理由だけで、「規則なのだから」という理由だけで、着席するという控えめな意思表示さえ処罰の対象になって当然だと考える人は、この例のようなことを受け入れるという事だと思います。


日の丸君が代は伝統ある歌や旗なのだから例が違う?

だとすると「公務員だから云々」というのはこの問題の主たる理由ではないという事になります。でもほとんどの人がこれを理由にしていますよね。


たとえB教の信者が国民の90%になったとしても、教祖様の歌や旗を国民に押しつけてはならない。

そんなことをすれば、他の宗教を熱心に信じている人が命がけで闘うことがおきます。

キリスト教とイスラム教の闘いのように。

だから民主主義先進国ではシンボルの押しつけ、宗教や思想に関わる押しつけには慎重です。


民主主義には多数決で決めて良いことと、決めてはいけないことがあることを理解していない日本人が多い。

多数決で決めてはならない法律があります。

だから国旗国歌法も国歌国旗の体裁を決めただけで「強制してはならない」と総理大臣が約束して成立したのです。


日の丸君が代強制問題の本質はここにあります。

「国民は道路交通法を守れ」というレベルの話ではないのです。

とりあえずここまで。2005.6.22