田中式音痴矯正法
「私は音痴なのでせめてギターでも弾けるようになりたくて・・・・・」そう言って入門してきた生徒さんが何人かいた。
その殆どの矯正に私は成功した。

1 音痴とは

ここで言う音痴は「歌が下手」という意味ではなく「音が取れない」ことである。

他の人が口ずさんだメロディーをまねることが出来ない。音が平行移動する。

楽器で音を聞かせて「これと同じ音を声に出して」と言っても出来ない。

他の人と一緒に歌うと音の抑揚の方向だけは一致しているが高さが違っている。

2 私の矯正方法は

@ まず何か音を聞かせて同じ高さの声を「あー」とか出させる。それを5秒とかの時間延ばさせる。

A 声を延ばさせた状態で、その音と同じ音をこちらが声を出したり、楽器で出したりする。

B その事により「他の音と同じ高さの声を出している」ことを体験させ、理解させる。

C 何かの音に合った声を出させるのではなく、こちらが相手の声と同じ声や音を出してみせることがポイントである。

3 トレーニング1    (以下のトレーニングは何度も繰り返す)

@ 相手に声を延ばして出させ、それと同じ声や音をこちらで出して延ばす。

A 相手に違う高さの声を出させ、それにも同様に合わせる。

B 出している声を一旦止めさせ、再び同じ声を出させる。

 この時生徒は音の高さを変えてしまい、もとに戻れなることがある。その時はかまわず、またその音にこちらが合わせて音を聞かせ、続ける。

4 トレーニング2

@  2人で同じ高さの声を出していることを理解させた状態で、こちらが微妙に音を上下にずらせて見せる。(半音の半分くらい、半音、1音、2音 とずらせて見せる)そしてまた戻ってみせる。

 相手にはその間同じ高さの声を出させ続ける。そのことで、「合った状態」「ずれた状態」を理解させる。

A 同じ高さで発音を変えさせる。(あーえーいーおーうー)とか言わせる。

B さらに、せりふ、リズムをつけ、「同じ高さの歌」をうたわせる。(既成曲を利用してもよい)(お経のような歌になる)

5 トレーニング3

@ 2人で同じ高さの声を出していることを理解させた状態で、半音音を上げ、まねさせる。(ミーファ)

A この場合も音がはずれたら、はずれた音に合わせて(ミーファ)をやってみせ、まねさせる。

B さらに(ミーファーミ)、さらに(ドーレ)(ドーレード)さらに(ドレミレド)ど音の幅を広げて行く。

C 楽器に合わせて音階を歌わせる。

D 「ちょうちょ」など楽器のメロディーにあわせ歌わせる。ここでもずれた音で歌ったら楽器の音の方を声に合わせて歌わせる。