討議内容

田中 

 三輪さん、講演ありがとうございました。

 三輪さんに講演を願ったが、私が一番聞きたかった事が抜けている。

 私は学生時代から剣道部だった。礼については厳しく教わった。例えばテニスコートを横切るなどは出来なかった。コートはテニス部の道場であり神聖な場と考えるからだ。

 人が大切にしているものに礼を尽くす気持ちはあるつもりだ。

 まず一つだけ否定させていただきたい。私は日の丸君が代の強制に反対しているが、日本のいわれのない悪口を言われれば腹が立ちます。日本の国土も好きだ。日本人も嫌いなところもあるがやはり好きだ。

 日の丸君が代に反対している人達はみんな言われるところのカタカナで書いたサヨクであって、国家などなくてもいいんだ、アナーキズムなんだ。人間が集団で何かをやる必要もないと思っている。そういうことではないと思う。

三輪

 アナーキズムは少数派だと思う。

 反対している人の大部分は日の丸君が代が嫌いなんであって、国旗国歌の存在を認めている人が大部分。これはアンケートを取っている。

田中

 僕は三輪さんと同じように日の丸のデザインは好きです。君が代は音楽的に変だと言われれば確かに変だ。しかし子どもの頃は厳かな気分で運動会の時などきくのが好きでした。それほど嫌いではない。

 僕が問題にしているのは、国旗として国歌として使うべきかどうか議論があった。アジアを侵略するときにシンボルとして使われた。朝鮮半島の人達に強制的に歌わされた。そのことを踏まえて、反省した上で使うのなら使おうではないかという議論があんたんだけれどもそれは抜きにして、使いなさいということが法制化以前からなされてきた。

 そして法制化されるときには、当時の小渕総理大臣は、この法制化を理由に国民に対してこれを強制することは絶対にありませんと繰り返し国会で発言して法制化された。

 国旗国歌法のどこにも学校の現場で使うべきだとかは書かれていない。

 むしろこれを強制してはならないとする不文律と言うことが出来る。

 僕が問題にしているのは日の丸君が代が好きか嫌いかではなくて、何かシンボルのようなものをやることを強制することがいいか悪いか。

 みんな赤がいいとか青がいいとか趣味の時点で言っているわけではない。反対の理由があって述べている。それを力によってそういうことを言うものは許せないと、処罰をすることでそれを推進することは、人間の良心の自由を犯すのではないか。

 そこで公務員云々という話がある。

 では私立学校ではその必要はないのか。私立学校では強制はありえないが公立学校では強制はある。でも公立学校でそこまでしてやらせる事に意義があることであれば当然私立学校でもやらせるべきだろう。

三輪

 やらせてるところは沢山ありますよ。

田中

 そうでしょう。であれば、公務員であるから云々という論議は意味がない。推進している人の立場としては、公務員であるかどうかではなくて、やったほうがいいからやらせるということでしょう。

 私は民主主義には多数決で決めていいことと悪いことがあると思う。

 充分議論した上でどっちかに決めなくてはならない場合は決めなくてはならない。

 例えば、ここでみんなが飲むものをウーロン茶かコーヒーがどっちかしか選べないとなれば、ウーロン茶がいい理由をみんなが述べて、じゃあ私はコーヒーがいいという人の意見も聞いてディスカッションして、お互いが、おまえはそういう理由でコーヒーなのか、と解って、それでどっちか選ばなければならないのであれば決めようということで、多数決を取るのならいいと思う。

 しかし例えば、この人の結婚相手を誰にするかということを多数決で決めるなどということはあり得ないわけです。

 もっと解りやすい旗の例で言えば、ある宗教団体の政党が力を持って、国会議員の過半数を占めたとする。あり得ないことではないと思う。

 そして、その宗教団体の教祖様を旗印にしたものを国旗にしよう、教祖様をたたえる歌を国家にしようとしたとする、これ認められますか。

 こういうことは決めるべきではないと思う。思想信条にかかわる問題だから...

三輪

 いいですか。

 今の例で言えば、例えば公明党が圧倒的多数なら池田大作が議席を持てば総理にすることは可能です。私は絶対嫌ですよ。そうなったら外国にずらかるかも知れない。

 しかし、いやだけれども、いろいろ運動やっても武運つたなく負けたらしようがないでしょう。

 そういう意味では私の方が徹底的な民主主義者かもしれない。

田中

 僕が言っているのは、民主主義には、多数決で決めていいことと悪いことを、わきまえるところが必要だろうという事です。

 程度の低い民主主義、小学校の子どもたちに何か決めさせると、はい、多数決取ります、となる。

 しかし、年齢が上がっていくとディスカッションするようになる。

 相手がなぜそう主張しているのか、選択肢がないのか、またそれは多数決で一つのことを決めなければならないことなのかどうか。

 それをわきまえた上で一つのことを決めなければならない場合のみ多数決で決める。

 そうでないものは、多数決で決める必要はないし、決めるべきではない。

 そのへんが民主主義の発達したレベルの考え方だと思う。

三輪

 池田大作の例で言うと、この範囲はしようがないですよ。だから僕らは村山富市などという大嫌いなやつが総理になっても、それを認めましたよ。しかしそれを打倒する運動をやる自由もある。

例えばウーロン茶にしても、議論しているうちに自動販売機が休止になるかもしれない。どっかでね、それでも生理的にウーロン茶が飲めない人がいたとしたら、これは棄権してくれと言うしかしょうがないんじゃないですか。

田中

 ウーロン茶はいいんですよ。

三輪さんが未婚だったとしますね。こいつは結婚したほうがいいと思うがみんなどうだと、そこに集まった人が賛成と。こんなことは理不尽でしょう。

 おまえの宗教を変えろと、あんな宗教はやめろと、皆さんどうおもいますかと、そのさい彼に改宗を迫ろうではないですかと、賛成の方拍手下さいと、こんなことは認められないですよね。

三輪

 それは絶対認められない。

 そのことと池田内閣は別ですよ。池田大作が議席も持たないでということになれば今の憲法からあり得ないけどね。そういう人が圧倒的になったらしようがない。そうならないように我々は社会運動をやるわけですよ。

 田中さんがさっき言ったことは同感ですよ。嫁さんの世話までとんでもない。これは例えとしても極論であって

田中

 いっぱいありますよ。その人間の信念に関すること、宗教に関してもそうだし。

三輪

 宗教はね、改めろなんてさすがに誰も言わないじゃないですか。

 オウム真理教にさえ改宗しろとは言わない。

田中

 宗教団体が政権を取ったらそういってくる可能性はないとは言えない。

三輪

 だからそうならないように。日本人は公明党に一定以上の議席を与えないじゃないですか。

田中

 例えば、欧米ではキリスト教徒が大半ですけど、イスラム教徒はキリスト教に改宗しろとは言いませんよね。

三輪

 欧米のキリスト教は、日本の公明党と違って圧倒的多数だからね。もともと100%に近い、最近は移民が増えたから100%ではなくなったけれど、もともとがキリスト教の立国ですから。

田中 

 アメリカで言えば相当数のいろんな宗教がありますよね。だからといって国会で国民の信じるべき宗教を決めようではないかと....

三輪

 大統領が宣誓のとき聖書に手を置くけどね

田中

 そうですね。それも議論になってますね。

世論の会員A

 ちょっといいですか。今の話でおかしいと思うことがある。田中さんは政権が変わるたびに国旗や国歌が変わるとおっしゃっているが

田中

 いやそういう事は言っていません。政権が変わるたび旗が変わる可能性があるとおっしゃってるのは三輪さんです。

世論の会員A

 国家国体というものに対して政権が変わるたびに旗が変わることがもしあるとして、共産党の議員が国会でドイツ、イタリアは大戦が終わった後国旗を変えたということを発言したんですけど、あれは間違いであって、元の旗に戻っただけ

(飛ぶ)

 旗とか歌は変えるべきものではないと言うこと、そういった意味では国旗国歌法は意味があると思いますよ。

 もう一つ。シンボルを強制することに反対と田中さんおっしゃったんだけども、それを他の国にも言えるかということなんですよ。ほかの国は国旗国歌を強制しているわけなんですよ。グローバルスタンダードとして日本以外の国はもう、国旗国歌はきめているわけです。

 もう一つ、先ほどのジュースの件。50年たっても論議がつきない場合、その間日本は国旗国歌無しで外交を続けていくのかどうかということ。それとも今のを使っていて代案をするかということ。どういう代案があるかということ。そのへんをお聞きしたい。

田中

 僕が答える立場にあるかどうかは別として僕なりに考えて見ますと、まず僕自身知識がないので、欧米先進国、民主主義の国の中で、国旗や国歌がどの程度、カッコ付きの強制がされているか。私がしる限りは欧米諸国において国旗や国歌を使うことを罰則で強制している国は殆どないんじゃないかと思います。

世論の会員A

 それは強制以前の問題じゃないですか。強制するまでもない...

田中

 しゃべっている途中にしゃべられると話が壊れてしまいますから。

 だから他の国は強制が認められているのに日本だけ認めないのはおかしい、というのであればそれは理由がないと思います。

 私は英会話教室に通ってまして、アメリカ、カナダ、イギリス人の教師とこの問題に付いてよく話しをします。今まで10数人の教師に話をしましたが、全員が罰則で旗を強制するようなことは民主主義ではないと答えています。

(飛ぶ)

田中

 一言言わせてもらうと、日の丸に反対ということと、日の丸の強制に反対というのは違うということ

世論の会員学生

 強制について質問なんですけど。僕は賛成の立場で三輪さんの運動などをやっている人間なんですけど、実際に現場を見ていてずれがあるとおもったんですけど、強制なり処分の事例ですね、八王子で日の丸について従わないだけで処分されたどのような具体的な事例がありますか。

田中

 非常に分かりやすい例として、国立の例ご存じだと思うんですが。ピースリボン。自分たちは日の丸君が代を強制することに反対するという意思表示をすれば、それが実際にはリボンが暴れ回ったり大声出したりするわけじゃありませんけども、それが処分の理由になっている。

世論の会員学生

 例えば、職員会議とかで揚げるか揚げないかという限定で職員会議が開かれた場合反対と言っただけでは処分はされないでしょう。

田中

 職員会議の中ではね。

世論の会員学生

 だから処分というのは実際に日の丸を引きずりおろしたりとか入学式や卒業式で日の丸の実力阻止なり、職務命令が出ても従わないというような場合に対して処分が下されたということですね。

田中

 そうですね。補足させてもらうと、最近だいぶ様子が変わってきましたけれども、数年前まで、八王子市内の学校で職員会議で、卒業式入学式を日の丸を揚げた形でやるのか、それに対抗して常に案として出るのは対面式という生徒達が向かい合う形でやる、それをどっちでやるかがディスカッションされて、大半の先生が日の丸君が代必要なしという結論を出す場合が多かったんです。

 その場合どうなるかというと校長が私の一存でぜひ日の丸君が代やる形にしてくれと、で、これは職務命令だと、で、命令なんだからそれの反することは出来ない。そういう形で命令が出て、それに従わなかったということで処分を受ける。そういう例はいっぱいあるわけですね。

世論の会員A

 それは私は当然だと思う。

世論の会員学生

 ちょっといいですか。職員会議で単に反対したという理由で処分というわけじゃないですよね。

田中

 それはどうですか。

教員A

 そこまでは行かない。職員会議で意見を表明することは

世論の会員学生

 言うのは自由ですよね。

教員A

 自由ですが、その後ペナルティーがありますよ。もう出てます。

世論の会員学生

 どういうペナルティーです?

教員A

 例えば教育委員会がその場所に来て、誰がどの発言をしたかを調べるわけです。

世論の会員学生

 それですぐ職場を去らなければならないわけではないですよね。目を付けられる。

教員A

 いや、目を付けられるだけではなく、給料は減っていきます。

世論の会員学生

 昇給が起こらないとかそういう事でですね。

教員A

 そういう事が何回か行われたら...

世論の会員学生

 それは分かりました。僕は小学、中学、高校、大学、国立とか反対の現場を見ましたけども、僕が見た限りは普通の人が見たら異常じゃないかという雰囲気ですよね。絶対何が何でも日の丸君が代を行わせないと、旗があったら引きずり降ろす。君が代斉唱と司会者が発声をすると、君が代なんか歌わなくてもいいとか、発言をしたりとか。処分を行われたのは殆ど僕の場合はそうでしたよ。国立の場合でも。私は反対だと、君が代の時ただ座っているだけの場合とかはいくらでもありましたよ。でもそれでは処分出てないですよ。

教員A

 違うよ

世論の会員学生

 それは地方によって違うかも知れないですけど、それはそれだけじゃなくて、その中には実力行為に出た先生がいて、その学校が注目されて、というのが強いんじゃないですかね。

 全く何もなかったところで、一人の先生がただ個人的に反対で歌わなかったとか、いう場合の処分....

これも考えようなんですけど、僕が中学高校なんかで思ってのはですね、僕のいたところは日の丸好きだ、君が代好きだという学生が多かったんですね。それなのに先生の中には歌うなとか、言った先生がいたんです。僕の担任で。日の丸はこういう旗だ、君が代はこういうあれだと。

 逆にこういう場合、歌いたい自由があると思うんです。歌わない自由ももちろんあるし、歌いたい、歌いたくない自由も僕も認めるべきだと思うんです。

 それが、国立の例とか見てると歌いたい自由まで奪っているとしか思えない、はじめから式次第に日の丸君が代入れさせないんだと、やらさせないんだと、

 そうじゃなくて、強制というのは子どもに対する強制じゃなくて、教職員に対する職務の強制であって、日の丸君が代の強制では僕はないと思いますよ。

 本当に自由があるのなら、子どもにも歌う歌わないの自由があるわけですよ。最終的に。その場で立たないのは自由だと僕は思いますよ。

 僕は賛成の立場ですから、歌いたくない人に歌って欲しくないです。逆に。日の丸を敬いたくない人に形だけのそういうものやって欲しくないですよ。

 それを今の小学生高校生達は初めからそういう選択もないわけですよね。国立の場合は揚げられてない。僕はそういう選択の自由というのは与えるべきだと思うんですよ。

 そのへんはどうお考えになっているのかなあと。

田中

 僕もそう思います。

 ただね、日の丸の強制に反対している人達が全部人格者で、みんなが妥当な方法で日の丸の強制に反対して、子どもたちに立派な教育をやっているかと言われると、まあ、いろんな人がいると思うんです。ただ、圧倒的に君が代なんか歌うんじゃないよ、日の丸なんか揚げるんじゃないよ、という教育をやってるんだとすれば、それはまさに強制するのと逆なだけであって、同じ事ですよ。それはあっちゃいけないと思う。

 当然、その理由を述べて、反対側の意見もそれに並べて見せて、こういう意見もあるし、こういう意見もある。で、自分はこう思う、皆さんはどう考えますか。そういうふうに生徒に示すのであれば僕はいいと思う。

 最終的には生徒達は自分で考えて自分で決める。

 国立の例は、僕は国立の先生達と実際に話したわけでも、その現場に行って見たわけでもないので知りませんけど、やりたいという自由もないというふうに感じられたとすれば、それまでに至る長い歴史があると思うんです。

 僕の知ってる限りでは日の丸の強制に反対している先生というのは、民主的なものの考え方にすごくこだわる人で、ここにいらっしゃる先生もそうなんですけど、二つの考え方を示すんですね。こういう考え方もあるしこういう考え方もあるよと、で、どっちがいいんですか、皆さんはどう考えますかと示しますよ。

 で、多分国立の場合でも職員会議の中で色々ディスカッションがあった。で、多分圧倒的多数の教員が日の丸をやるべきでないという結論をずっと長いこと続けて来た。それを教育委員会などが一生懸命になって、国立のそういう状況を変えようとして、校長達に相当強い圧力をかけた。で、校長達は職員会議の多数決で決まったとしても、まさにこれはさっきの多数決の話になりますけども、多数決は認めないということを言い出したんですね。

 おれには権限があるんだから、校長としての権限があるんだから、それに従ってもらわなきゃ困るんだと、そうなってきてますよね。

 それで、私は納得いかないという人達がどんどん処分を受けている。今はそういう状況だと思います。

三輪

 多数決というのは上級の多数決もあるでしょう。現場の多数決もあるけどその上の教育委員会だとかね。

もっと言えば民主主義というのは最終的にはその(センタイ?)で決まるわけだから。

世論の会員学生

 最終的に僕は、自由はあると思うんですよ。別に強制でそれが嫌だったら、転校すればいいだけの話であって、

田中

 ただ、罰があるんです。

世論の会員学生

 権力というのはそいうものなんじゃないですかね。

田中

 言うことを聞かないと罰を与える。それに反対している人達がなぜ反対しているかという論拠を述べていても。ましてやピースリボンのように、このこと自体は誰にも迷惑をかけていない。ただ意思表示をしているだけの..

三輪

 その意思表示というのはね、やっぱり全体の秩序を乱す意味ではやっぱりある種の。それは学校現場というある意味では甘やかされた環境だからそうだろう。普通の論理だとね、やはりそれは引っかかりますよ。

田中

 秩序を乱すとは具体的にはどういうことですか。

三輪

 さっき言った、トヨタの展示場で日産の模様を着けてたらね、違うとおっしゃるかも知れないけどすでに一回決まった事に対して明らかな反対の意思表示というのはそういう事ですよ。

田中

 ちょっと違うと思いますね。

三輪

 それはね、トヨタのものを買う人にこんなの止めなさいと一言も言わなくても、すでにトヨタの、あるいはキリンビールのところでね、アサヒビールのバッヂをですよ、キリンビールの人間が着けてたらそれはアサヒの上司は怒りますよ。

田中

 例えば、そのトヨタがね、欠陥車を作っていたと。その中の社員が内部告発をしようとしたが圧力でつぶされていると、それで、それを運動として起こしたんだけどつぶされかかっているので、内部告発をみんなに訴えるために小さいリボンをたという行動があったとする。

 これはどうですか。

三輪

 これは当然認められるべきですよ。本当に欠陥車だとすればですよ。

田中

 だから、理由が

三輪

 日の丸君が代と違うじゃないですか、欠陥車じゃないじゃないですか

田中

 いや...

世論の会員学生

 ピースリボンをつけて抵抗すればれは処分されるんですよ。そういうものなんじゃないんですかと、僕は思うんです。

三輪

 処分されて当然だと。

世論の会員学生

 いや、僕は処分されて当然かどうかは別としてですね、右も左って言うか、僕自身は右だと思ってますけど、共通しているのは自己の確立というものだとおもうんですね。

三輪

 俺より右の人ばっかりじゃないか。

田中

 もうちょっとしゃべってもらいましょうか。

世論の会員学生

 たまたま日の丸君が代は自分の意見は一致してますけど、もしちがうあれがあったら、抵抗します。例えば公明党政権が出来たら僕はおそらく打倒の為に運動しますよ。でもそれは弾圧されても、国家というものはそういうものであって、権力なり共同体なりそういうものじゃないですかね。ぼくはそれで反対して闘うこともいろいろあると思います。

田中

 僕はね、先ほどの三輪さんと違うのは、民主主義というのはだんだんレベルが上がっていけば、何遍も言っているように、多数決で決めてはならないことを決めなくなると思うんです。みんながわきまえて。

 こんなことはみんなに強制してはいけないことなんだなあと。多数決で決めるべき事じゃないなあと。

 当然交通安全を守るために車が道路のどっちを走るかは決めなきゃだめですよ。みんなが右行ったり左走ったりしたらぶつかりますよ。

 それは決めなきゃいけないんだけど。決めなくていいことは極力決めない。これはすごく大事なことだと思います。

世論の会員B

 田中さん

田中

 はい

世論の会員B

 一つ質問したい。

田中

 そちらはいいですか、そちらと話をしてたんだけど。

世論の会学生

 そこが問題で、どこまでを決めるべきで、どこまでを決めるべきでないのか、こんなのもう主観の問題であって、人によって全然ちがう問題

田中

 それはね、民主主義の高まりのレベルと言うか、度合いというか、認識の違いというか、やっぱりそれは、相手の気持ちを理解すると言うか、

 だから、人はそれぞれ違うんだということを認めるかどうかですよね。

三輪

 だけどね、そんなことを言えば、税金は安く福祉は厚くと誰でもそうであってね、やっぱりどっかでね、けじめをつけないと

田中

 それは、それこそ先ほど言われた自己の確立ですよ。自分自身、お互いに高まりあって、単に自分のエゴを認めて、おれはあれが欲しいんだ、俺はもっといい思いをしたいんだ...

三輪

 彼の言う自己の確立というのは、多分そうだと思うんだけど、事上げをする以上ある部分のリスクはしょわなくちゃいけない。つまり牢屋に放り込まれる訳じゃないですから...

田中

 ちょっと彼にしゃべってもらいましょう

世論の会学生

 自己の確立とわがままは別だと思うんです。

田中

 まさにそのとおり。

世論の会学生

 おそらく今の日の丸君が代の反対はわがままに近い面があるんじゃないか

田中

 と見えるでしょう。そこが違うんですよ。

 わがままで言うんであれば、それをやってれば自分がひどい目にあうと分かっていてやりますか。

 今は頑張っちゃうと首になるんですよ。

世論の会学生

 ですから僕は今まで闘っている人はすごく立派だと思いますよ。僕自身大学でも例えば学生運動を押さえつけようとするような動きあるとします。それに対して反対する場合はもちろんその大学を去る覚悟を決めて運動をします。いいかげんなあれはしないです。だから自己の確立というのは、権力なりそういうものは徹底的に弾圧してくるものであって、それに立ち向かうなら、辞める覚悟をして運動しなければいけないものであって、なおかつ処分されるのはいやだ、だけども抵抗はしたい、というのは僕にはわがままにしか...

田中

 抵抗するということはただでは済まないんです、今は。ここに座っている人はね、処分を受けてこのままで行くと下手をすると3年で教職を失います。

世論の会学生

 ...今は学生ですから家庭を持って子どももいる、自分が家庭を支えていかなければいけないと思ったら、変わってくるかもしれないですけど、それでもですね、それは最終的には自分の判断じゃないでしょうかね。家庭を守るために処分には従わなければならないと判断するのか、それとも自分の信念を貫く為には多少家庭のことが犠牲になるかもしれないけれども、その信念を貫きとおして、処分を受ける覚悟で抵抗するのかというのは自分の判断

田中

 だから、現状として、処分を受ける覚悟で闘っている人が沢山いるんですよ。でもそれは決して個人の好き嫌いとか、わがままとか、赤いんがいいとか、辛いんがいいとか、そういう話じゃないんですよ。

 これをちゃんとこだわらなければ、子どもたちの教育にとって悪いと思っている。日本の将来にとって悪いと思っている。だからこだわっているんです。

世論の会学生

 闘えばいいじゃないですか。

田中

 闘っている。でもね、正当な闘いに対して処分が出ることは不当だと思うでしょう。

例えば、地域に暴力団が出てきて、それと闘ったら、闘っているやつが警察に捕まるなんてことがあったらおかしいでしょう。

 それはおかいしいと言って、それを改めさせそうとしなければならないことですね。

三輪

 それはちょっと例が違う。暴力団というのは絶対悪だけど、しかし日の丸君が代はね、多数派は違うわけだから。

教員A

日の丸君が代の強制に反対..

三輪

 さっきも言ったように、ある程度の強制性がないとしょうがないんですよ。

田中

 だから何回も言うように、強制していいことと悪いことがある

三輪

 ちょっと待って下さい。先生がね、こういう会場に出ていることが問題になったらね、それはおかしいですよ。あなた個人として反対することに対しては何も言わないでしょう、向こうも。学校現場という職業の場ですからね。これはしかたないんじゃないかな。

世論の会学生

 最終的に日の丸は侵略の旗だからいやだ、君が代は天皇の歌だから嫌だ、結局そこに行き着くんじゃないですか。

田中

 それはさっきから言っている、日の丸は嫌だ、君が代は嫌だという論理です。

 僕が言っているのは「強制に」反対してるんです。

世論の会員A

 強制がなければ日の丸君が代、かまわないのか、...田中さんに差し上げた問題はこのお二人もしくはあの方にね、同じようにお聞きしたいんですよ。ようするに日本だけが他の国と違って国旗国歌をいらないと言うのか、他の国にもそれを押し通すのか。日の丸君が代が反対だったらその代案はあるのか。代案がなくて論議が50年100年続けばその間何を使うか。それは素朴な疑問なの。

強制反対A

 今までも使って来たじゃないですか。オリンピックで。法律がない中でも使って来たじゃないですか。国家は使ってきたんですよ。それについてはどう思うnですか。

世論の会B

いけないんですか。

強制反対A

 使ってるじゃない。それを法制化によって強制している...

世論の会A

 国家とおっしゃった。日本という国の文化が、国体があって、もう一つそこで現政権、権力を持っている人間がいるわけですよ。池田大作なら池田大作でもいいけれども、ドイツのナチスの旗、あるいはイタリアのファシストの旗をある期間限定して使ったと、しかしその政権とは別にドイツはドイツの...その旗、歌は全然変わっていない...

強制反対B

日の丸君が代の強制に反対とか、いろいろお聞きしたんですけど、そこで押さえておくことは、世界のアメリカであるとか社会主義のロシアとか中国とかありますけど、旗がどういう事から出来たかというと、人民革命という下からの民主主義の獲得という形でもって旗にっなったというのが多いですよね。まずそのことをを押さえておくべきだと。

 次ですね。日の丸は明治政府に採用されました。今講師の先生から言われました。一面当たっているとこもありますけども、私が認識しているところと違っている点があったんですけど。

 日本の江戸から明治に移っていく革命というのは、革命の質が違う。これは民族革命であって民主革命ではないですよね。

三輪

 だけどね

強制反対B

 もう一つ次に言えることは、日の丸を問題とした場合、やっぱり侵略戦争...日の丸が盾として使われた。人を殺したりとか.....

三輪

 これ、強制とは別の観点から

強制反対B

 日の丸君が代を強制するのがいいのか悪いのかとなったら戦後から...

三輪

 逆にお聞きしたいのは、何の旗にせよですよ、そちらさんのいいと思う旗だったら、強制でもいいわけですか。日の丸だから強制ダメだっていうことですか。

強制反対B

 結局政治的な...もう一つの...ペリーが来たときですね、日の丸の旗を振らせたと言うことですね。それがスルスルスルと政治的な謀略や....妥協のもとに...明治政府が不文法と言う形で認められて行った...

 それから日本が戦争に敗戦した..憲法のあれ..象徴性ということが言われてますけど、当時ソビエトとアメリカが....ことの力関係という....天皇が象徴であることを認めない....

 そこにおける戦争責任問題....具体的には国が保障なんかも...東京裁判の...

 そういうことを押さえて行かなかったら、まずいんじゃないですかね。

三輪

 よろしいですか。

田中

 今のは日の丸が嫌いだという人の論理ですよね。なぜ嫌いか..で.

強制反対B

 強制というのは...そこには.

三輪

 私はそこにはあえて全く触れなかったんです

強制反対B

 日の丸君が代法が出てきても、日章旗を国歌として...そういうふうな、憲法のような前文とかその事に対して日の丸が民主的なと位置づけるような...何もかかれていませんよね。...必要ですよね。

三輪

 それに関しては、調べてもらえば分かりますように、いろんなアンケートを取っても日の丸に関しては7割以上が賛成ですよ。いかなる問題に関しても反対の意見のかたはいらっしゃるから、それについてはとやかくは言いませんけども、不文法成り立ち続けているのはやっぱり民衆の支援と支持があったということが一つ。

強制反対B

 だって現場から見て、祝日などに日の丸揚げているうち全然ないですよ。

三輪

 それは間違いなくそうです。

田中

 今から増えるかも知れませんよ。

三輪

 それは逆に強制されてない何よりの証拠ですよ。

強制反対B

 それから日本の歴史............特に東京裁判....そこのやっぱり..が出てきた......

東京裁判の見直しをすれば.....分かると思うんです。

三輪

 ちょっとだけ答えさせて頂きたいのは

田中

 あまり広げないで下さい。ちょっと広がりすぎちゃう。

三輪

 ちょっと広がりすぎちゃったんですけど、ただ、そちら様からおっしゃられたね、日の丸は血塗られた旗だというのは良く聞く話なんで、あえて申しますとね、血塗られた旗だろうがなんだろうが、長い歴史をしょってたらね、個人を含めてですよ、栄華の歴史だけじゃないですよ。

 屈辱だとか汚辱だとか、あるいはマイナスの歴史をひっくるめて現在があるわけですね。

 ですから旗というものは、どっかの校旗、あるいは球団旗。それは優勝した時ばっかじゃないですよ。最下位に泣いたときもあるかも知れない。

 しかしそういうもの全部、マイナスのものをひっくるめて現在があるわけだから、あの旗の下であの戦争を勝とうが負けようがね、それはいいじゃないですか。

 もしそれで反省するなら、日の丸を見ながら反省すればいいし。

 状況が変わるたびにころころ旗なんか変えてたら連続性が無くなりますよ。

強制反対B

 ...考えた場合ずっと天皇制......

三輪

 それはもうさっき冒頭申しました。私。

強制反対B

 ...国の形態というのは世界に例がない。非常に....珍しいことですよ。

三輪

 それは私は誇りだと思います。

強制反対B

 ...やっぱり戦後からの出発というのはね、かっての侵略戦争というものから考えて..いったいそれはね、...日本人が憲法を作ろうとして作れなかったんですよ。....これは押しつけでも何でもなくね。それを見て日本の国会もね。俺達の..古かったとね。これでもって行かなくちゃいえないんだという事をね、言わざるを得ない.....こういった憲法なんかも...

三輪

 押しつけ憲法だと認めて下さるのは結構なんですけど

強制反対B

 私はちっとも押しつけ憲法でも何でもない...当然...どっちにせよこれは...

三輪

 ただ事実として、一つだけ反論させて頂きたいのは、あの後天皇は行幸というのをやったわけですよ。あのときはGHQも天皇さんにぶん殴られたりすると困るけれども、ある程度の混乱はあってもね、見せしめのためにいいと考えてた向きもあるんですよ。

 ところが、どこが演出したわけでもないにもかかわらず、大歓迎でした。

 これは事実だから認めて頂きたい。今の時代と違うわけだから。

 で、これでマッカーサーも天皇を利用できると思った事も一つあるわけですね。ですから、政治利用としたことは、もちろん間違いないし、アメリカとソ連の妥協の産物も間違いないけど、日本国民が支えた事も間違いないです。

強制反対B

 それは先生の認識違いです...経過..このあいだNHKのテレビでもやってました。ヤルタ会談ということが取り上げられていました。アメリカの方.....そしたら天皇制を認めるということ..原爆を投下することに......そのヤルタの密約ということも含めてね、そこでもってイギリスとアメリカとソ連と、.........

三輪

 ちょっと待って下さい。政治利用しようというのは当然ですよ。しかし政治利用しようと思っても、当時のドイツだったらヒットラーを生かして政治利用は出来ないんですよ。

 やっぱり天皇を支える日本人が多いことが分かっているから政治利用したということであってね。国際政治ですから天皇を政治利用しようとしたのは戦勝国は当たり前であって、私が申し上げたいのは、日本の国民がやっぱり天皇を支えたというのは間違いない。あの終戦後。

強制反対B

 .....

田中

 はい、日の丸の背景にある歴史的な事実のディスカッションが続いてますけど、それをやっていくときりがないので、もうちょっと話を具体的な例に戻したいと思います。

 今の学校における日の丸君が代の強制について発言したい人どうぞ。

教員B

今、学校現場の教員なんですけど、多分日の丸に反対する人達の年齢っていうかね、そういうものすごくあるんですよ。若い人は殆ど言いませんし、組合に入る人も殆ど少なくなって、で、ぎゃーぎゃー騒いでるのは、あの頃の私たちの、こちらも同じような年代らしいですけど、そうらしいです。先ほど国立の件を言いましたけど、それは特別なんですね。もう23区もどこも毎日揚げてるとこもあれば、だからそっちが普通なんですよ。

 だから国立がつぶれて気持ちがいいと思えば、そういうレベルで見ればそうなんだけど、私も教員の世界しか知らないから、今日ここに来てね、この人達もいじめられた時があるんだな、私たちも学校ではいじめられっこというか、殆ど何の期待もせず、校長からいつも怒鳴られて、また反対してるわっていう感じで言われて。

 まあ、学校現場の中では自由があります。ただ処分が恐くないと思えば、根津さんのようにこういうふうになって行くんですけど、そうでなければ意見を控えていくわけですよ。

 それで、少しずつ辞めていったり、いろんな事があって、組合の活動としては戦後の教育を反省するというとこから出たから、私も本当に真摯な気持ちで戦争は絶対嫌だから、自分の家族もに、連れ合いだって出したくないし、本当にそんな気持ちで考え始めました。

 自分が教育を受けたときの事を考えれば、あの方がおっしゃる選択する自由なんかなかったわけです。いつもいつも日の丸は揚がってましたし、君が代だって、蛍の光だって、仰げば尊しだって全部やってたんですよね、私たちの子どもの頃は。

 それがおかしいなんて言う人は誰もいませんでしたから、気が付きもしないで教員になるわけですよ。

 大きくなってから中国に戦争に行ってこんな事したんだとかそういう事を自分で本を読んだりして、教員ですから勉強しますから、そういう事で分かって行くわけですよ。教えてもくれなかったなという感じがありました。

 別に社会科だけではなく、他の件でも勉強していくわけですよね。

 今力を入れているのはジェンダーフリーの教育で、男女の差別とか、障害者を差別するとか、異質なものを排除していくみたいな事にすべて反対なんですね。

 反対というよりか、子どもたちにそういう人に育って欲しくないという気持ちがいっぱいある。

 でも、この子達の一握りの子が、まあ、社長になるかもしれないけれど、半分以上の子はみんな労働者になるんだっていう気持ちがあるんですね、私には。

 で、どっかの会社に雇われて、言いたいことも言えないかも知れないけど、言ってっていいんだよ。心というのは誰にも縛られないものだから、自分で、

 さっき言ったように、言ってって処分されるんだったら当たり前じゃないですかって言うけど、正しいこと言ってって処分されるんだったら、それはおかしい社会だよと、それ以上にもっときちんとした人間として生きる最低限の要素みたいな、

 例えば、最低賃金法ね、お金は、人間として生きるためには13万円は絶対に必要だ。あの頃で言えば。

私はそういうふうに思って子どもたちに、社会に出たとき、お金10万円以下だったら文句言っていいんだよと、労働基準法で決まっているからね、とか、そんなふうな形で子どもに話してきました。

 だから、日の丸君が代の事だけでやってるわけじゃなくて、人権を尊重するような社会が必要だ、で、私も踏みにじられているというか、教員やってますからいろんな権利がけっこうね、他の人達より。

 先ほどから、公務員はどうのこうのと言われたり、だけど、そんなにいい思いしているわけじゃないし、そんなに儲かる仕事でもないし、税金は必ず納めてるし、だから、そういう気持ちで働くっていうことは素晴らしいよという形でやってます。 労働に関してもね。

 だからそういう中の一つのことで、生きていく、心が縛られる必要はない....

三輪

 先生のお話...

教員B

 今話してます。

三輪

 それがなぜ日の丸君が代反対に結びつくのか分からないな。

教員B

 組合の原点が、再び子どもを戦場に送るなということなんですよ

三輪

 もちろん大賛成です。

教員B

 そのことを、日の丸君が代に象徴されるそのものがあって、そんなに反対しなくても学校現場はフリーでしたから、終わったばかりだから、で、だんだん指導要領も改訂されていって、強制らしきものが入ってきたわけですよ。

 先ほどから指導要領にあるからと言うけれど、最初から無かったんですよね、指導要領には無いんですよ。

三輪

 それはそうです。最初からというのは。大昔からという意味じゃないですから。ええ。

教員B

 そんなにえばってやらせるものでもなかったし、歌いたい子は歌ってたし。でもいわゆるリクルートで逮捕されたあの方が文部大臣になったときに、すっとこう、入ったわけですよ。

 何でも決まったものは全部って言うけど、そういう人が全部どんどん決めていってね、私たちのそういうものまで縛る必要はないんじゃないか。私は自分の原点としてはそういうもの持ってます。

三輪

 先生も私も同世代だと思いますが、指導要領が無かった頃に、おっしゃられたように、日の丸君が代やってたわけでしょう。小学校の時に。

世論の会?

  ちょっと話が長いんじゃないか。

教員B

 ちょっと分かってもらえないんじゃないかなと思って。

世論の会複数

 ................

田中

 ではそろそろまとめますから。

教員B

 それでそういう事でやって来たもんで、強制を強制と受け取るかどうかですよね。その強制というのを私なんかはそういう風にして踏みにじるものだったら、やっぱり子どもにも踏みにじって行くってそういう要素をね、生んでいくものの一つだなって考えるわけです。だからいわゆる、意見が言えないものが増えていって、唐突に卒業式で...非常識だと思うと思うんですけど、あそこに来るまで、教員達がどれだけね、ここまで我慢して我慢してやんないで、自分たちの力で頑張ろうというところがあったっていう事だけはね、いわゆる学校の中の民主主義を守ろうという事があったんですね。

 そういうことでいます。

世論の会学生

 僕はそれを聞いて100%分かるですよ。皆さんが言うのはですね。要するに戦前は構造として、例えば右向け右ならワーっと戦争とかに行きやすいような体制だったとかね。今また日の丸君が代をみんなで何の疑問も思わずすんなり上からそういうものは何て言うんですかね、皆さん方に言わせるとですよ、僕はそう思わないですけど、いわゆる戦争に持って行きやすいような、また体制に組み込まれつつあると、天皇制とはそういう構造を持ったものだとか...そういう様な事を考えられているのかも知れない。僕は...正さなきゃかみ合わないと思うんですけど、皆様方ですね。将来的には社会主義の独裁国家のようなものを想定、......どっちかというと無政府パリコミューンとか。みんなが自由にものが言えて無政府主義に近いって言うんですかね。みんながある程度合意出来るコンセンサスみたいなものを憲法みたいなものにして、ある程度みんなの違いを認める。そういうような社会なわけですよね。

 そしたら僕は聞きたいんですけど。共同体というものには強制力とか、権力というものが必要なのか必要でないのか。そういう問題に最終的に行き着くんです。

 共同体というものには強制力とか、権力というものが必要なのか必要であると。求心力なり帰属意識、アイデンティティーというものが無ければ共同体はやっていけないのかやっていけるのかというのが僕は問題だと思うんです。

 そこがまず皆さんと我々とが違うじゃないかと。

三輪

 それにかん..して、校旗校歌ね。当然学校あると思うんですけど。これも強制かどうかをぜひ聞きたい。

複数

 ・・・・・・・・・・・

田中

 話がこんがらがるので、ちょっと待ってください。整理しておきますと、先ほど言われた、日の丸に反対している人達は、ようするにパリコミニューンのようなものを望んだ、無政府主義を理想としているのではないかと言うことをちらっと言われたけど、僕は日の丸に反対している人達の意識調査を全部やったわけじゃないです。

 で、僕自身は全然違います。共産主義の国になればいいと全く思っていません。どちらかというと、ソ連のような国になってもらうと非常に困ります。で、小林よしのりが漫画に書いていたことがあったけれども、天安門広場の虐殺の文句をサヨクは言わないじゃないかと言ってることがありましたけれど、私は天安門広場で戦車を止めた若者は殺されたらしいんですけど、その事を歌った歌を作ってます。

 で、僕が一人一人意識調査したわけじゃないですけど、あの様な、天安門広場のような事を肯定する人は、僕の周りで一人も会ったことは無いです。多分ここで、共産主義革命をやって共産党独裁の社会を実現して、っていう風な意識を持った人は、中にはいるかも知れませんよ、ゼロとは言えませんけども、非常に少ないと思います。

 だから、その辺の意識をね、出来れば変えて欲しいんです。大きな誤解だと思います。

世論の会学生

 それは僕は100%理解してます。

田中

 そうですか。

世論の会学生

 田中さんが理想としているような社会というのは分かるんですよ。僕は大学でも討論とかやったり、左翼の人いわゆる黒ヘルなんかの連中なんですけど、そういう人の勉強会とかのつきあいあるんですよ。どういう事を理想としているか良く分かるんですよ。

 そこでの反論としてですね。共同体というものには強制力とか、権力というものがなきゃ、共同体は成立しないと考えたわけですね。そういう社会を作った時に反対勢力、私たちのような、権力はいるんじゃないか大量に出てきた場合、両手をあげてその組織を崩壊させるのか。自分たちと全く違う考えの人達に対してはどのような..組織というものは、そういうものがないと維持できないんじゃないかという考えですね。まるっきり自由な、そういうもので本当に組織が維持できるのか。例えばナチスのような組織の存立自体を危ぶむような、そのようなものが出てきた時に、どのような力によって、どのようにそれに対して対処して行くのかという事ですとか、高度な民主主義という話をされた、確かに皆さんそのような考えだったらうまく世の中行くと思います。ですけど、民主主義はこれは決めちゃいけない、これは決めるべきだという話もですね、例えば、ここにいる半分の人間でですね、日の丸君が代というのは決めてもいいような問題であるという人と、国歌とかシンボルというのはそういうものは決めちゃいけない、まっぷたつに割れてるわけですよ。

 そういうものに対しても、自分たちに取ったら、これは当たり前だと思っているかも知れないけど、逆にそうじゃ無い人もいるわけですよ。

 それをこっちがこうだと決めつけることもある種のファシズムと言うんですかね。これが高度で、こっちが高度でないとか。それは平和とか平等とかをただひっくり返しただけで、実はちょっと違うんじゃないかという気がするんですね。

 僕はそういう理想的な社会を理解してるんで、これは理想であって無理なんじゃないか。組織というものは権力なり求心力なり、そういうものがあるもんじゃないかという問題が、最終的に行き着くところであって、そこが違うと、この問題は最後までかみ合わないんじゃないかという気がするんですけど。

田中

 僕の意見を言っていいですか。

 権力が一定の強制力を持つというのは、僕もやむを得ないと思いますよ。ただ、その強制力がリーズナブルなものであるかどうかですね、...

三輪

 ...リーズナブルなものかどうか判断する

田中

 当然そうです。だからそれを(話し合うことで理解しあう、理解しあった上で多数決を取ると言おうとしたが中断)

世論の会学生

 だからそれはどの体制であっても絶対無理だっていうことです。

強制反対C

 あなた、国家と共同体イクオルという同義語で言ったけど、それはどういう風に、国家と共同体とをね、

世論の会学生

 イクオルとは思ってないですよ。

強制反対C

 ではなぜ共同体という例を出したんですか。飛躍があるじゃないですか。今権力の強制について話してるわけだから、どの共同体においても、と言うのは

世論の会学生

 ああ、国家というのは共同体じゃないですからね、いわゆる。

複数

 ............(荒川発言を求める)

田中

 じゃあ、まだ発言していない人がいるから発言してもらっていいですか。はいどうぞ。

荒川

 私は、この中で一番年上だと思います。荒川と言います。敗戦の時17才。ですから、国旗国歌と言ってもですね、軍国主義教育をたっぷり受けている。そういう目から見ると、私は右よりの人の文章を読ませてもらったことはあるんですけど、顔を見て肉声を聞くというのはめったに機会が無いんで今日は参加させてもらったんです。

 やっぱり日本の右翼というのはミーチャンハーチャンだと。ミーチャンハーチャン。お遊びをやっている。それにしか過ぎない。

三輪

 私は右翼とは思ってないですけどね。

荒川

 だいたいシンボルなんて言うことでですね、ごたごたやって。僕らはね、受けた教育というのは一億玉砕だったんですよ。全部死ぬはずだったんですよ。

 我々の命を奪うという方針をごまかして、旗と歌の問題だけでやろうとするから、僕はね、そういう発想はミーチャンハーチャンの発想でしかない。

 心配しないように言っておきますけど、左翼もたぶんにミーチャンハーチャンですから。だから日本の運命が本当に危ないと見ているわけです。

三輪

 玉砕ということと、今のお話とどう結びつくんですか。

荒川

 玉砕は死ぬことです。

三輪

 もちろん玉砕と言う言葉は知っていますけど。

荒川

 それを忘れちゃって。例えば僕がね、..あるし悪いやつだと思うけれども、人間的に信頼出来るのはアナミ陸将ですよ。ちゃんと腹切ったもの。あのね。生きて虜囚の辱めを受けずとか言って、軍人勅諭を出してですね、我々も捕虜になるくらいなら自決しろと言っておいてね、自分は捕虜になって裁判かかって、...みんなですよ。

三輪

 じゃあ東条よ。

荒川

 東条だけじゃない。

三輪

 東条があなたの言う、正確に言うならば戦陣訓を出した。

荒川

 張本人。広げたのは他の軍人もね。だから、そういう発想では、僕は。強制の問題を論議してますけどね、自分が人に強制したことを自分は知らん顔するような強制ではね、強制という言葉自身がごまかしですよ。

三輪

 そんなこと言えばですよ、全ての交通法規から全部強制じゃないですか。そうするとアナーキーの世界になっちゃうでしょ。国家権力成り立たなくなっちゃう。

荒川

 だから、そういう戦犯とね、一線を画した右翼だったらね、戦犯達と..

野谷

 田中さん。ちょっとお伺いしたい事がある。

田中

 ちょっと待って下さい。まだ発言終わっていませんから。じゃあまとめて下さい。

荒川

 やっぱりね、きちんとそういう一線を画さないようなね、

三輪

 でも一線、三線ぐらい引いてますよ。

荒川

 一つ実例をあげましょうか。今度外務省が沖縄のサミットで不正をやった。日の丸リムジンですか、会社の名前が。日の丸を汚すものだという。まさに日の丸を掲げてやったことが国民の財産を食い尽くし、国民の命を奪う事だったんですよ。それをけじめ付けなきゃダメですよ。

 そのけじめ付いた右翼とね、僕はもう一回話しをしたい。ミーチャンハーチャン...

三輪

 日の丸ハイヤーを攻撃し出しちゃ...ちょっと..の問題だけど。

荒川

 刑事事件の殺人教唆に当たりますから言いませんけどね、あれをねえ。

僕は戦前の気の利いた純粋な右翼だったら、やっぱり問題にしたと思いますよ。だからミーチャンハーチャンですよ。はっきり言って。

三輪

 みんなミーチャンハーチャンですよ、ええ。

田中

 問題だと思うんでしょ、当然。

荒川

 ミーチャンハーチャンから脱皮してですね、

三輪

 脱皮しないでいいんじゃないですか、だって、市民レベルしゃべって...しょうがないもの。

それは、昔の右翼は一人一殺でね、左翼はどうこうという

田中

 では右翼の歴史はそれくらいにして、じゃあいいですか。そちらの方どうぞ。

野谷

 私は野谷と申します。職業は零細企業を経営しております。今一億玉砕という懐かしいお話がありました。その一億玉砕と、あの大東和戦争で、国も言ってましたし、国民もこぞってやっていたわけでしょう。

 あなたはその時一人で反対なさいましたか。17才だったら当然そういうお考えがあったと思うんです。その事と、今の国旗とどう関係があるんですか。

三輪

 僕もそこがちょっと分からない。

荒川

 ないと思っているのがね、あなた方のずるさだと...

国民に死ねと言ったことは忘れちゃって、旗と歌だけはあれするという..

三輪

 ただね、これで日々反省する立場の人もいるかも知れないじゃない。私はそうじゃないけど、そういう使い方も出来るわけでしょ。

野谷

 それはおかしい。そ言葉をね、そっくりお返ししましょう。日の丸で死ねと言ったんですか。

荒川

 そうですよ。

野谷

 日の丸は国旗でね、

荒川

 言葉のあやを使っても..

野谷

 あやじゃない。どこの国でも戦争するとき、闘うときは、良い闘いも悪い闘いもないですよ、闘いをするときは旗印を掲げて闘う、当たり前のことなんです、それは。

荒川

 旗印を掲げて闘うだけど、何の為に闘うかですよ。

複数

 ...

田中

 ちょっと待って。

世論の会学生

 それは右と左と、さっき言った問題が生んでいる事であって、

 左の方というか、今ここにおられる方が、我々に対して持っているイメージというのはですね、日の丸君が代をやるっていうのは、最終的な根本に天皇制のもとに闘う、組み込んで、最終的には戦争が出来やすくする世の中を作ってるんじゃ、戦争を出来るような.......

三輪

 今時どこと戦争するんだよねえ

世論の会学生

 .....そういう事がセットにあるから、と聞こえる。はっきり言って、今国旗国歌やってる中で99.9%以上そんな事おもっている人いないですよ。思ってるのは僕ぐらいですよ。

 例えば若い人なんかでは、中にはそう思っている人がいるかもしれない。そういうワーというような、もう一度あの日本をという人もいるかも知れないですけども、殆どいないですよ。殆ど99%以上そうじゃないですよ。

それは我々が皆様方に持っている誤解と一緒で、皆さんそういっている人は最終的には社会主義革命を起こして、日本を共産主義社会にしようと思っている人が殆どじゃないかと思ってるイメージと同じなわけ、それは明らかにお互い持ってる誤解ですよ。

三輪

 今時右翼なんて。何を持って右翼と言うか知りませんけど、右翼なんていないんですよ。だから、普通の奴がやってるから、逆に皆さん方に取ってはやばい時代になるわけです。

荒川

 ...覚悟が決まってない奴がね、

三輪

 覚悟が決まってない奴がやってるから、逆に多数派になるわけです。覚悟が決まってる奴なんていつの時代でも超少数派なんだから。

荒川

 ...知ってますけどね..

三輪

 そんな右翼なんか力無いでしょう。

 小林よしのりにしても我々にしても、藤岡さんとこにしても、基本的におっしゃるとこのミーハーだからこそ、世の中を動かせるんですよ。逆に。だから朝日新聞は警戒するんですよ。

荒川

 .............

三輪

 何で?民主主義だからいいじゃないですか。

強制反対B

 ..聞きたいんだけど、日本てさあ、昭和20年までにどれくらい戦争したと思う?何年間戦争したと思う?

世論の会学生

 昭和20年までの戦争ですか?どれを戦争と呼ぶかで.....

強制反対B

 .....

世論の会学生

 何年からですか?えー昭和6年から。

強制反対B

 その時に、その6年から20年の間に、人間がどれくらい死んだと思う?

世論の会学生

 それは戦闘.....

強制反対B

 いや、アジア全体で。

世論の会学生

 それはその戦争によって数千万人死んでる

荒川

 じゃあちょっと質問を変えますけど。

田中

 ちょっと待って。

強制反対B

 そういう事を踏まえて。十五年戦争と言われるんだけど普通。

複数

 ..........

田中

 お静かにお願いします。

強制反対B

 大東和戦争と言われるのは、ハワイにアメリカ艦隊が来たから、胸元にね、ナイフ刺されたからやらざるを得なかったんだけども、...そういう風に思うんだ。アメリカと戦争したのは、石油とか油も無くなって、やらざるを得ない戦争に持っていったんだけど、その前の戦争の時にそこまで日本はしちゃったのね。と思ってるわけです。

 その時に、日の丸を掲げて1945年というピリオドを打つまでにね、日本はどういう事考えて来たのかなと思うと、そういう反省をみんなが知ってるわけよ。みんながそういう事を知ってて、日本が最初に日中事変から始まってダーと戦争始める時にね、...みんなが知っててそれでみんなが....普通の人が。

 今の教育でそこまでやんないでしょう。

世論の会学生

 そこについては考えかたとか..全く...

強制反対B

 そこまで知っててなおかつ日本のね、国旗国歌をさあ、論じてくれるならいいよ。

世論の会C

 でもさあ。いいですか。マッカーサーは戦後ね、....で日本という国はいかに資源が無くて、そして取るべき道としたら、外国に進出すっる以外に方法がなかったと。当時の国は植民地を取る国か取られる国、なってしまう国か、その二つしか選択なかったわけでしょう。

 どういう道があったわけですか。

強制反対C

 だから侵略戦争認めるんですか、あなた。

世論の会C

 じゃあ侵略戦争しない国に...

強制反対C

 .....

三輪

 だからそれは19世紀的なね、19世紀的なあれでは当然ですよそれは。だって

複数

 .......

三輪

 これは認めるとか認めないという問題じゃないでしょう。だってそれは世界史的に展望すればそういうものですよ。

それが19世紀的な価値観でしょう。

強制反対C

 日本がやったことを侵略かどうか認めるかということなんですよ。

三輪

 だって、それで言えばフランスだってイギリスだってアメリカだってみんな同じですよ。

強制反対C

 日本は認めるかということですよ。

三輪

 当然、当たり前ですよ。ね。

強制反対B

  それを肯定するかどうか。

三輪

 ..別に肯定しても何ともないです。

世論の会

 侵略の定義からはっきりさせて下さい。侵略の定義。

田中

 えーとね。

複数

 ...

田中

 話が広がっちゃてる。

複数

 .....................

田中

 そこに行きたいだろうなという気持ちも分からないではない。

複数

 ...........................................

田中

 はい。じゃあちょっと集中して下さい。いいですか。集中して下さい。気持ちは分かりますけど、あとで個別に。

三輪

 集中して下さい。

田中

 日の丸の背景にある歴史的な事実とか、議論したくなる気持ちは重々分かります。しかしそれをやっちゃうと時間がいくらあっても足りませんので、もうちょっと話を絞って。

複数

 ...........

田中

 いいですか集中して頂けますか。

強制反対D

 お互いに論破する為に集まってるんじゃ無いんだから、意見を聞きあう為に

田中

 ちゃんと聞こう。

世論の会D

 校旗校歌の話をしたいので。実は私ね、3月に根津先生の支援集会に出席させていただいたんですよ。そのとき最後に私根津先生に質問したんです。校旗校歌の強制についてはどう思うかって。で、もし、校旗校歌に反対して、席なんか立たない立ちたくないと言う人に対して先生はどう対応されますかと、言いましたら、それ考えて行きたいとおっしゃいましたね、根津先生は。

根津(教員A)

 ええ、その通りだという..

世論の会D

 ところがね、後日ね、生活者ネットワークのねFさんに同じ様な話したら、校旗なんてみんなで合意されてるからいいじゃないのって、Fさんそういう言い方したんですよ。

根津

 私に言われてもちょっと。

田中

 いろんな人がいます。みんな違うんです。

世論の会D

 それについてまだ、続いてる、そういう、共同体のシンボルっていうんですかそういう強制云々という、まだ議論ていうのは皆様方でもまだはっきり言って煮詰まってないんですか。

三輪

 校旗校歌だって全員が賛成したわけでもないのに、やってるのに、国旗国歌だけ反対するのはおかしいじゃないかと、言うことで。僕もそれは聞きたかったですよ。先生方に。

田中

 はいはい。じゃあ、その問題について少し話し合って見ますかね。確認しますと、校旗校歌、学校の歌や学校の旗を子どもたちに強制、みんなやってるのに、それはどうなんだと。そういうことについて、じゃあ根津さん。

根津

 はい。

三輪

 強制がだめだったらそこまでやらざるを得ない。

根津

 さきほど、あの大学生がね、強制力、それから、権力の問題だと、そういう風におっしゃったけど、まさしくそうなんだろうと思うのね。

 私は、差別されるのもいや、差別するのもいやだと。それから、みんな平等に生きたい。例えば、重い仕事を出来る人間がいれば、出来ない人間の手助けすればいいしね、非常に計算力やなんかが優れている人がいれば、その人はみんなのためにそれが役立てばいい。分配はみんな同じになるように、そういう風に思っているんです。

(テープ飛ぶ)

でその時に、先ほどの、でも国家の集団の意思よりも、学校の集団の意思の方が大きくなるはずが無い、そういう風に三輪さんおっしゃいましたよね。

三輪

 いや、大きくなるはずが無いじゃなくて、システムとしてのね。上級システムですから。

根津

 それから、そういう風にやっていくとね、一人の人権と言うときに、人権というのは無くなってしまうんですよ。三輪さんやそちらの方がおっしゃった言い方だと、人権が無くなってしまう。

三輪

 そりゃ、内面の自由とあれは違う。

根津

 ちょっと待って下さい。聞いて下さいね。

 で、人権という風に言った時に、世界人権規約でも何でもそうだけども、少数者の人権をどう保障するかというのが、やはり一番大きいこととしてあってね、そのときの人権というのは、食べることも何も、全てを含んで人権なんですね。

 食べないで霞食って生きろと言う人権では無いわけです。で、そこのとこの捉え方が私は違うなって思うんですね。で、強制力の問題に行きますが、私はそういう意味で、そういうひっくるめた人権を保障するという意味の、で、強制に反対なんですね。

 学校の中で強制してはいけないと思ってるんです。学校の中でというより、教育の中でね。教育の中で強制は教育ではないと。

 三輪さんはある程度の強制は必要だと

三輪

 だって教育と言うもの自体が強制されたもので..

根津

 ちょっと待って下さい。とにかく聞いて下さい。

三輪

 はい。

根津

 ですから、人権とか民主主義というところで、かなり違う認識を持ってるなと思ったんですが、今学校の中で行われている日の丸君が代の事になるとね、そうするとそれは、校長が命令し、教育委員会が命令し、それに従わなければいけないという全くその図式の中で行われ、子どもの方もそうなんですね。教育ではない。日の丸は揚げる、君が代は歌え、ただそれだけのことを、私は教育とは思わない。まさに強制でね、ある種の強制であって、それは教育ではない..。

 子どもは大人が校長から命令されてやってるというのを肌で感じ見ているわけですね。そういう中で、自分で考えるという事を、が、必要だという風に思っているかどうか。考えることの大切さ、それから自分が一人の人間としてそこにいるという事を感じる事が果たして出来るだろうか。そういう風に思うんです。

 それからですね、子どもでもちょっと考えれば日の丸君が代、国旗国歌という風に言いたいんでしょうが、日の丸君が代、国旗国歌と言うときに、意見の分かれたものがある、という事ぐらいはある程度は知っているわけです。

 中学生ぐらいではね。ある程度は知っている。しかし、そこのところは蓋をして行くんですね。蓋をして全く子どもたちと話すことはしない。

三輪

 先生がですか?

根津

 したらね、それこそ処分ですよ。

 私はきちんとしなければいけないと思っている。歴史的な事も、それから文部科学省がなぜそれをみんなで学校でやれっていう風に言ってるか、愛国心、国際化の問題としてこういう事で言ってるんだよっていう、全ての資料を子どもたちに提示した中でね、子どもたちがそれを選んでいく。

 先ほどおっしゃったようにね、子どもたちが学校の主権者であるんだから。それから社会に出たときに自分たちで考えて決めていくことが出来るようにね、学校はそれの勉強の場であるわけだから、そこで子どもたちが話し合って結論を出せばいい。

 でも結論を出すときに、全く情報が塞がった状態でね、一方の情報だけのところでは結論は出せないわけですよ。全ての情報が出された中で、子どもたちが論議し、まあ、大人も入ってもいいと思うけども、きちんと子どもたちの論議による決定が尊重されなければいけないんだけれども、今そうなっている学校は非常に少ないですね。

 で、そういう風にする事すら、教育委員会、校長は認めないわけです。

 私の前の学校はそうやって決めてたんですよ。しかしね、それを、あなたの言う逆ですよ、教育委員会や校長はそれを認めない。

 で、それはあなたのおっしゃる事と違うでしょ。 

 

世論の会学生

 それがいいとは言ってないですよ。僕は。

根津

 国立の事ををそういう風に言ったのは悪いから言ったのじゃないの?

世論の会学生

 子どもが決める事がいい学校だと、僕が思って言ったという事ですか?僕はそういう意味で言ったんじゃないですよ。

根津

 はい。じゃあね、国立の例をそういう風に出すのはあまり良くないなと思ったけど。で、私はやはり子どもたちで討議して決めていくのが必要だし、それから、その為の資料を学校では提示して行かなければいけない。で、しかし今の教育委員会校長はただ歌わせる、いさせるだけ。で、それ以上の事はしない。それ以上の事をしてくれと言ってもしない。

 先ほどそちらの方がね、今の校長やなんかは、保身のためだけだっていう風に言ってましたけども、まさしく、私もそうだと思うんですよね。

 で、そういう人達が上を握る学校現場の中でね、果たして、子どもたちが、これからの時代を切り開いていく人間になれるだろうか。私は一番心配なところ、心配って言うか、一番やってはいけないところは、そこだと思うし、そこのところで日の丸君が代、象徴的に現れている日の丸君が代が反対である。

三輪

 いいですか。

田中

 もうちょっと待って下さい。

根津

 それから、先ほど、公務員だから云々という事三輪さんから言われたけれども、そもそも教育というのは、昔の教育はそうでしたけど、今の教育は教育基本法でも憲法でも、国のためではなくて、個人の教育を受ける権利として保障されてるわけですし。ですから法治国家っていう風に言われるんだったら、その法に従ってね、三輪さんがおっしゃる意味で言えば

三輪

 個人と言っても.....

田中

 もうちょっと待って下さい。終わってからまとめて反論して下さい。

根津

 教育を受ける権利がきちんと謳われているんだから、国のために子どもたちが利用されてはいけないし、強制されてはいけないということですよね。

 大きいところはそういうところかな。それから反対の子どもの思想信条の問題をどういう風に思っているのかというのもありますが、それは上の二つで充分..一旦ここで終わりにします。

田中

 はい。じゃあどうぞ。

三輪

 まず、大前提として、国旗国歌の問題に限らずね、教育にはやっぱ強制力というのは必要ですわねえ。

根津

 でもその理由を言わなくちゃ。

世論の会員?

 そこが分かれ目。

根津

 じゃあ私言いますね。

三輪

 はい。

根津

 私は教育というのは、いろんな考えがあれば、いろんな考えを出すことの中で、どれがほんとにいいことなのかという事を論じていく中でね、結論を出すものであって、これが正しいんだよという風に強制することじゃないと思う。

三輪

 例えば音楽鑑賞の時間でね、今日はハンガリー舞曲を聴きましょうと言ったらね、いや私はビートルズが聴きたいとかああとかこうとか、それいちいち対応してたら授業なんか一分たりとも進まないでしょう。

 言葉尻をとらえて恐縮だけども、やっぱりある種の強制というのは必要なんじゃないですか。

根津

 ここで言っている強制は違うでしょう。

三輪

 いや、まず一般論で教育というものには

根津

 一般論じゃない。

三輪

 生徒が主権者だとおっしゃるからね。

根津

 じゃあここでこうやって集まってね、日の丸君が代のことやるけれども、いや片方は教育のことだよ、片方は歴史的な事だよって言って対立したときに、という話でしかない。

三輪

 だから今日の場合は日の丸君が代の由来とかね、いうことは私もあまり言わなかったし。いい悪い。日の丸は好きだけど強制は嫌いだという人を含めてね、強制か否かという事が、今日ポイントだったわけですよ。それはそうですわな。

 日の丸君が代万々歳だけれども、学校現場で強制されるのはいやだっていう人の方がむしろ話がかみ合ったんだけども。

根津

 今ね、三輪さんがおっしゃったのは、そういう事で言ってるわけでしょ、と言うこと。きょうはこのことについてやるよって言ったら、日の丸のことについてのきちんと論議があって資料があっての上であって、三輪さんのようにある程度の強制力が必要だったら、それは何の学習でもないんですよ。強制することは学習ではないでしょう。

三輪

 だけど1足す1はね、2ではないという意見に対してね、やっぱりそれは2だって言うことは教えなくちゃいけないでしょ。

世論の会員?

 それじゃ学級崩壊じゃん。

三輪

 うん学級崩壊になっちゃう。

根津

 全然違うじゃない。

三輪

 どうして?

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