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月光仮面物語：SSアフリカ丸　投稿者：名古屋の月光仮面     横浜港　メリケン波止場からの船出は午後４時の出港でした。 アメリカンプレジデントラインのウイルソン号とか クリーブランド号に比べれば雲泥の差の船ですが、 乗客は皆さん開拓者精神のあふれる主に農業関係の家族でした。 民間航空会社は東京羽田国際空港からロスアンゼルスまで ウエーキ島・ハワイ島を経由して２１時間で飛んでおりました。 アメリカンプレジデントラインは横浜港・ハワイ島経由 ロスアンゼルスまで１４日間で行きました。 私のアフリカ丸はノンストツプで２１日間です。 １３ノットですからね。 船倉の大部屋ですからカーテン一枚で仕切られたハンモック 形式のベツドに似ておりました。 だんだんと港が遠ざかりつぃに見えなくなるまでジーつと見ていました。 もちろん涙がちらりと出ていたと記憶しています。 こんなときに日本人は思うらしいのですが日の丸・日本を 代表して頑張って故郷に錦を飾るという心構えであるようです。　　１９歳の青年月光仮面もそう思っていたようでした。 さて日もとっぷりとくれて夕食の時間です。 大部屋の食堂に入り他の乗客との食事でした。 食事は全て日本食です。　肉・魚・野菜・日本的なものばかり でした。 何を食べたか今ではすっかり忘れてしまいました。 さて、　高校時代には部活があって放送部に所属しておりました。 朝礼で校庭に並ばなくてもいいと思い放送室で遊んで いた思い出がありました。 そんな経験があって出港したとたんに駆け込んだのが無線室でした。 トンツーの音を聞きにいくのです。 船は定期的に日本から無線で船の名前を呼び出します。 船名を呼ぶのです。　　船名を呼ばれたものは無線通信を 開始します。　　日本の船は国内通信と同じで料金が安いのです。 １９６０年時代は電報といいまして最低が１０文字だったと思います。　 朝日のア いろはのイ 上野のウ こんな調子でやっていた時代のものです。 料金は親父払いで電報を送り続けました。 毎日毎日です。 友達にも送り続けました。 おかげさまで退屈がしませんでした。 船の他の乗客との係わり合いは子供たちの家庭教師役でした。 赤ちゃんから小学生。中学生いろいろおりました。 それらの子供たちとも遊び勉強しました。 船の中での２１日間の思いでは日本の修学旅行みたいな 感じでありました。 一番弱ったのは横浜港を出た３日目位からです。 ピッチングを始めたころからです。 ビルの屋上から地下４階まで一気に上がり下がるそんな ころに船酔いがありました。　　若さの性か２日間で慣れ ました。 船酔いさえ克服すれば後は気分爽快です。 朝昼夕方と友達と遊び、　夜中は『泥棒ワツチ』の時間で 無線室に入りびたりです。　３等通信士と大変仲良くなりました。 毎日電報のやり取りですからいいお得意さんであり退屈しのぎになったようです。 そうこうしているうちにアメリカ大陸が見えてきました。 いよいよアメリカが目の前に見えてきたのです。 １９歳の日本男子の決意がだんだんと固まってきました。 　 ラジオからは英語ばっかりの放送が入ってきておりましたから 英語とはこんなものかということが少しずつ体に感じてきてはおりました さあ、　いよいよ地平線に大陸が見えてきました。 甲板に皆上がってきて眺めております。 つづく： 2007/07/25(Wed) 08:00:55 [ No.775 ] Re: 月光仮面物語：SSアフリカ丸　投稿者：田中哲朗     > 乗客は皆さん開拓者精神のあふれる主に農業関係の家族でした。 > 船の他の乗客との係わり合いは子供たちの家庭教師役でした。 > 赤ちゃんから小学生。中学生いろいろおりました。 > それらの子供たちとも遊び勉強しました。 > > 船の中での２１日間の思いでは日本の修学旅行みたいな > 感じでありました。 移民船というと暗いイメージでしたが、違いますね。 みんな「いっちょうやったるぞ」と思って出かけたんですね。 > そんな経験があって出港したとたんに駆け込んだのが無線室でした。 > トンツーの音を聞きにいくのです。 　私も中学の時モールス信号覚えようとして・・・すぐめげました。イトー　ロジョーホコー　ハーモニカ 　何のことか分かるのは月光仮面さんくらいかな？ > さあ、　いよいよ地平線に大陸が見えてきました。 > 甲板に皆上がってきて眺めております。 > つづく： 　　楽しみにしてます。 2007/07/25(Wed) 09:26:44 [ No.776 ]