「田中さんはラジオ体操をしない」

2009年カナダ国際労働者映画祭ベストインフェスティバル賞受賞
映画祭公式参

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2010年3月9日 オーストラリア国営テレビSBS全国放送 2011年より日本各地の映画館で上映


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日本語字幕入りDVD。当面送料込み2000円で販売します。(内1000円はマリーに送ります)(映画祭会場では字幕無しを4000円で売った。)

郵便払い込み 沖電気不当解雇撤回を闘う田中哲朗  口座番号 00160-5- 410669 に振り込んで下さい。郵送します。
注文したことをメールでお知らせ下さい。http://www.din.or.jp/~okidentt/mail.html  振り込み用紙に必ず「DVD送れ」と書いて下さい。


山形国際ドキュメンタリー映画祭2009

30分前に会場に付いた。実行委員以外は人影がない。やっぱり客は来ないのかと思った。スタンバイしていたら妻が「おばあさんが一人並んでいるよ。」という。市内の暇な老人が来てくれるのかな。と思った。5分前にぞろぞろ人が入り始め、300席はほぼ満杯。若い人が多い。外国人も何人かいる。

 始まる前にライブをやったが、挨拶(アピール?)は自分で日本語を英語に訳しながらやった。時間がおし、歌う時間がなかった。

 心配していたとおり、日本語字幕がなかった。マークには何度も私が訳した字幕付きを使うように言ったのだが。
観客は同時通訳をレシーバーで聴く。通訳の人のレベルは非常に高いと思ったが、この映画の内容は同時通訳で最適の訳が出来る内容ではない。

 
実際、「ラジオ体操は昭和天皇即位の年に始まった。」という部分とか訳されなかった。
しかし、客は反応していた。笑いが何度も起こった。
質疑応答は切れ間無く続き、歌のリクエストが出たが時間が無かった。外で歌った。


おわって実行委の馬淵さんは「田中さんに来てもらって本当によかった。観客のあんな反応は初めて。」と言ってくれた。

アートプロデューサーの斉藤朋さんは「スーパースターですよ田中さんは。友人のインドネシアのダンサー、サルドノもひどく感激していた。」と言っていた。
(私は知らなかったが、サルドノは世界的に著名な舞踏家、演出家で、王室の王子を自分の劇に出演させたり、部族間の対立を緩和させるほどの行動力と豊かな人間性を持つ。話をしたかった。)
フィリピンから来たカップルは「学校で教えている。このDVDを授業で使いたいが良いか。」と言っていた。



斉藤さんに案内されて行った山形料理の店。マリー達は上機嫌。話が盛り上がった。
私が「観客20人くらいを覚悟していた。」というとマリーは「私は5人だ。そのときはマークが事務局に抗議するつもりだった。」
映画の編集をした娘のモーガンに電話して「You did good job !」といったら喜んでいた。
前夜は割り勘だったが、どうしてもマリー達が払うと言う。会場にあったDVDが完売したからだと言う。(日本語字幕ないのに)


ホテルに帰るため山形駅を通り抜けようとしたらオランダから来たオスカーから声をかけられた。「あなたはすばらしい。DVDを買った。」と言っていた。(と思う。英語が聞き取りづらかった。)




斉藤さんに翌朝の朝食に招かれた。父親斉藤たきちさんの経営する農場はすごかった。十数種類ものリンゴをはじめ、洋なし、プルーン、ゴーヤ、その他数え切れない野菜をオーガニックで栽培している。たきちさんは詩人でもあり本を沢山出されている作家でもある。「北の百姓記(続)」を頂いた。すでに妻が読み始め面白いと言っている。

たくさんの種類の奥さんの料理もすばらしかった。ゴーヤに鶏(飼っている。畠を歩き回っていろいろ食べている。)の挽肉を入れたものは逸品。
食用菊の「もってのほか」という品種はしゃきしゃき感が特徴だそうだ。マリー達も喜んで食べていた。沢山もらって来た。(リンゴも。車で行って正解だった)
マークのブログ
みなさん、ありがとうございました。


挨拶の原稿

この場にいることを嬉しく思います。
このイベントを企画し、苦労して成功さてくれた皆さんに感謝します。映画を作ったマリーデフォロスキー、マークグレゴリーに感謝します。時には私の方が監督のように指図したりして、私たちは喧嘩したりもしました。よく我慢してくれた。妻も含めて家族ぐるみの友だちになれました。

 日本にはブラック企業と呼ばれる企業があります。いじめなどの人権侵害を行い、そのやり方は宗教的なカルトにも似ていると言われます。沖電気は30年前の大量首切りからこの病気にかかりました。

 社員を会社の言いなり人間、いじめに荷担する人間に変えるために踏み絵が使われます。わたしがラジオ体操をしない理由はそれが踏み絵だからです。ですからこの映画のキーワードは踏み絵です。

いじめの方法もこの30年で進化しました。
最近はモビングという方法行われている。小さな嫌がらせを大勢で繰り返す。証拠を残さないように注意深く行われ、本人の妄想、精神病だと思わせ、自分から会社を辞めるようにしむけるものです。

 私を支援している友人は八王子工場で一日50人が側にきて咳払いをするというモビングを5年間されました。。

今、沖電気の経営は悪化し、昨年私がいる八王子工場が分社化されロームという会社に株の90%を売りました。私はロームの株主になり今年の総会に出席しロームの社長にこれを止めるように直接言ってこのモビングやっと止まりました。

 また、学校での日の丸君が代の強制は国家権力が、教員、国民に対して行っている踏み絵です。この映画に出てくる根津公子は、君が代に起立しないという理由だけで、6ヶ月の停職にされながら、今も闘っています。
 この強制は、国家のいいなりになる人間を作り、日本をカルト的、軍国主義に導く危険性を含んでいる。
日の丸君が代の強制に反対して闘う人は日本が嫌いなのではない。むしろ誇りをもてる国にしたいと考えているからこそ闘っています。

日本社会に存在する踏み絵は人間性を破壊するだけではなく、世界の平和を脅かす。危険なものだと考える。

だから我々はそれを察知し警戒しなければならない。
この映画がそれを防ぐことに役立てばと思う。

 この映画を見ると解雇されて闘うことがいかに楽しいことかと思われると思う。それは事実なのですが、お勧めはしません。

最後に、私にエキサイティングな人生を与えてくれた沖電気に感謝したいと思います。
映画をお楽しみ頂ければ幸いです。